アカデミー1/72 F/A-18C製作記 2009 2/23〜4/23完成

〜2009 2/26
今回のネタはアカデミーの1/72 F/A-18です。
以前から様々な雑誌やサイトで傑作との評判を
受けているこのキットですが、私も作りたいなーと
思ってる内に売り切れてしまい、それ以来全くと言うほど
見かけなかったのですが最近ようやく入手出来ました。

パッケージ及びデカール内容はA型になっていますが、
成型品自体は先に出たC型としても組めますので
今回は以前から積んであったハセガワキットのデカールを
使って、C型として組んでみたいと思います。

というわけで早速仮組み。フォルムは問題なさそうですが
機首周りが特に細分化されており、組み立てには
少々の修正と工夫が必要となりそうです。
とりあえず機体は置いといて、コクピットの製作から。

サイドコンソールはモールドによる表現で、デカールも
付属しますが肝心のスイッチ類のプリントが無いため
使い物になりませんので今回は塗装仕上げです。
モールドは大体実機通りになっていますので、
写真等を参考に面相筆や爪楊枝の先端でチマチマと。
苦労した割には小さくて全然見えませんがorz

正面計器盤はCRTのディスプレイのみがデカールで
用意されるという、1/72にしては珍しい構成です。
筆では表現が難しいので嬉しい部分ですが、
出来れば他の部分もデカールで用意して貰えると
細部塗装が苦手な身としてはありがたいのですが…
〜2009 3/8
本格的に機体の製作に入ります。
このキットはF/A-18各タイプの製作に対応しており
初期型から最新型まで製作することができますが、
同時に、自分が作りたい機体の各部の仕様を
事前に調べておく必要が生じます。

今回製作予定の機体は厚木基地でお馴染みの
VFA-195所属機、NF400 "Chippy Ho 2001"ですので、
選択式のパーツは実機写真を参考に選択する他、
実機で確認できないアンテナ類は切除しておきます。
画像はその一部。機首上面のIFFアンテナ及び、
エアインテーク下のアンテナ(?)は今回は必要ありません。
とりあえず切除が必要なのはここだけだと思われます。
胴体上面パーツに付くLEX(ストレーキ)部分のパーツ。

後部が若干浮き気味になるので、削って調整する他、
各部に生じる若干の隙間を瞬着で埋めておきます。
また、左側(画像の上側)にはラダーのパネルがあり
その一部をパーツ分割線で再現することになりますが、
見栄えを重視して一旦埋めてから彫り直しておきます。

LEXの接着後、説明書の順に反して先に機体上面に
主翼パーツを接着してしまいます。
理由としては、接着面積が少ないため後に回すと
裏からの補強ができず十分に強度が確保できないこと、
LEXとの間に生じる段差の処理をこの段階で行った方が
削りとラインの彫り直しが楽ということが挙げられます。
主翼と胴体上面の間には若干の隙間が生じたため、
周囲を保護した状態で溶きパテを盛って修正します。
なお、実機では前縁及び後縁フラップと機体の間には
かなり大きな隙間がありますので、その部分は避けて
溶きパテを盛ります。

また若干話が前後しますが、胴体側のフラップ断面と
機体上部との間に大きな隙間が生じるため
ここも溶きパテを流し込むようにしながら盛ります。

乾燥後、周囲のモールドを消さないようにパテを削り、
最後に軽くパネルラインを彫ればこの部分は完了です。
機首ブロックは左と右、下面前パネル、下面後部の
主な4パーツに分割されていますが、それぞれの合いは
決して良いとは言えません。また、位置決めのピン類も
殆ど存在せず、非常に組みにくくなっているため、
胴体と何回も仮組をして、十分に調整を行います。
分割線は一度瞬着で埋めてからラインを彫り直しました。

基本部分の組み立て後、左右側面のAOAプローブを
まち針の先端に置き換え、更におもりの金属球を固定、
最後にコクピットを接着してこの部分は完成となります。

なお、下面前側のパネルは2種類の選択式のため、
実機通り水滴型バルジのあるパーツを選択した他、
側面の不要なパネルラインを埋めてあります。
胴体下面後部の製作。
機首部分とは打って変わってかなり合いは良いです。
ただし多少の隙間は生じるため、瞬着で埋めておきます。

また、一部分割線をパネルラインとして生かすことに
なっていますが、隙間が一定の幅で生じないため、
見栄えが悪いので一度全て埋めてから彫り直します。

なお、パネルラインは一部間違っている上、
部分的に途切れている部分もあるのですが
修正しようとすると周囲のライン殆どを彫り直すことに
なってしまいますので、今回は荒れのみの修正とし、
パターンについてはそのままにしてあります。
機首ブロックを機体側に接着します。
事前に調整しておいたため、段差や隙間はある程度は
抑えられましたが、やはり画像の部分や、機首の部分に
修正が必要な部分が出てしまいました。

機首側は基本的に隙間だけだったので瞬着で、
画像の部分は段差も生じたためラッカーパテを使います。

機首側は、胴体下面後部に増してパネルラインのミスが
多いのですが、こちらも大作業になりかねないので
やはり基本的にそのままにしてあります。
コクピット後部は今後発売されるであろう複座型のために
別パーツになっています。

合いは比較的良いのですが、やはりここも
接着面が凸凹な上、一部エッジがかけていたりして
非常に見栄えが悪いため、瞬着で埋めてから
パネルラインを彫り直しています。

このキット、接着面をパネルラインに持ってくることで
合わせ目消しを楽にする目論見で設計されたらしく、
実際そこを評価している雑誌やサイトもありましたが、
少なくとも今の段階ではむしろ単なる余計なお世話です。
エアブレーキは開閉選択ですが、今回は閉状態にします。

サイズがぴったりで殆ど隙間が生じないのは感心ですが
収納部が深いため下手に押し込むと外すのに一苦労。
そのため、表面に段差が生じないようにするのには
位置決めに少々手間取らされました。

ここは接着面の波打ち等は無かったので
瞬着埋め等は行わず、Pカッターで軽くなぞって
パネルラインの表現としました。
スーパー以前のホーネットのレドームは、先端部分が
肌色のような色で塗られているのが特徴ですが、
このキットではパネルラインが殆ど消えかかっていたため
塗り分け用のガイドも兼ねて彫り直します。

こういったきつい曲面にパネルラインを彫るのは
一苦労ですが、このように円形テンプレートを使うと
多少は楽にパネルラインの彫り直しができます。
なお、画像ではわかりにくいですが、ずれないように
レドーム上下部分を瞬着で軽く接着してあります。
レドームと機首の合いはかなり悪いです。
あちらを立てればこちらが立たず状態ですが、
今回は断面の修正のしやすさを考え、上面を無視し
モールドの多い下側を優先して合わせ、後で上面に
瞬着を盛った上でレドームごと削って修正します。
(画像は修正前)

また、ここも例によってレドームと機首の合わせ目が
波打っており、どうしようもないのでやはり瞬着で埋めて
エッチングノコ等でアタリをつけながらラインを彫ります。

今回の製作は、とにかく継ぎ目消しとモールド彫り直しの
オンパレードで、なかなか思ったように作業が進みません。
出来の良いキットを軽く作るつもりだったのですが…
〜2009 3/23
インテークは一体成型となっており、ダクトは殆ど
奥行きが再現されていませんが、1/72であれば
正面以外からは見えませんのでこれで十分でしょう。

内部をグレーで塗装した後、極細ペン等を用いて
突き当たりを黒く塗り、艶消しクリアーで艶を消せば
何となく奥行きがあるような無いような仕上がりになります。

なお、実機ではインテーク内部の白での塗り分けは
かなり奥から始まっていますので、今回は無視します。

塗装終了後、インテークパーツを機体に取り付けます。
ここの合わせは非常に良好でした。
垂直尾翼は合いが悪く、隙間が目立つため
塗装前に接着して継ぎ目を消しておきます。

外側、内側共にモールドが多く、思い切って削ることが
できませんので、切削が楽なラッカーパテを主に用います。

なお、実機は垂直尾翼と胴体は滑らかに繋がっておらず、
垂直尾翼側が補強板のように一段盛り上がっていますが
再現しようとするとオーバースケールになる上、
単に継ぎ目を放置したように見えてしまうと思われるため
今回は無視して継ぎ目を綺麗に消すことを優先します。
C型の特徴であるコクピット後方の一対のアンテナは
実機では機体と滑らかに繋がるため、塗装前に接着し、
継ぎ目部分を流し込み接着剤で撫でて隙間を消します。

他のブレードアンテナ類は製作中の破損を避けるため、
基本的に機体と別に組み立て、塗装後に接着します。
前回の更新でも触れた、機体後部のパネルラインですが
実機写真等でも割と目立つ部分ですので
やはり足りない部分を追加することにします。

黒ペンでなぞった部分が今回追加したパネルラインです。
一部のラインは最初から位置が間違っていますが、
そこまで修正すると相当な部分に影響が出てくるため
今回は無視し、雰囲気優先でラインを追加します。
大した部分ではありませんが、ここも折り畳み部分の
ラインが存在しないため、追加しておきます。

このキットはパネルラインの表現が単調で、
通常のパネルとフラップ等の可動部分がわかりにくいため
雰囲気重視でPカッター等で深く掘り直します。

また、一部のエアアウトレットの類も単なる凹みに
なってしまっていますので、デザインナイフの先端等で
エアの排出部分を彫り込んで雰囲気を出します。
〜2009 3/28
基本工作終了後、下地塗装に入ります。

今回はタミヤのリキッドサーフェイサーを使用。
クレオスの物に比べてプラへの食いつきが良く、
使い勝手が良いので気に入っています。

例によって、サフを吹くとそこらじゅうに粗が出てくるので
ひたすらパテ盛りと整形作業が続きます。
特に今回は隙間埋めとスジ彫り直しが多かったため、
修正箇所は殆どその辺りに集中していました。
下地処理終了後、先にマスキングする部分の
塗装を済ましてしまいます。

機首、レドーム先端は色が違うので塗り分け。
Mr.カラー318番「レドーム」で塗装します(そのまんま)

塗装後マスキングテープを貼り、スジ彫りに沿って
マスキングテープをカットします。
胴体工作の時点で彫り直しておいたこのラインですが、
ここでは期待通りの役目を果たしてくれました。
以前も書いたとおり、今回はVFA-195所属のNF400
"Chippy Ho 2001"の塗装で行きますので、
先に特徴的な尾翼の塗り分けを済ましておきます。

まず、尾翼全体を白で塗り下地とした後
主に前縁部分をMr.カラー329番イエローで塗装、
後で黄色に残る部分をマスキングします(内外両面)

なお、尾翼の上端部分は補強板モールドのせいで
テープが直線になりにくいため慎重に作業します。
もっとも、実機写真を見ると意外と適当なようですがw
マスキング後、Mr.カラー302番で尾翼内側を塗装。
グレーっぽく見えますがグリーンです、念のため。

グリーンを塗装後、一旦イエローのマスキングを剥がし
今度は内側全体をもう一度マスキングし直します。

尾翼外側はグリーン部分が無く、イエロー部分と
そのフチの細いグリーンのストライプのみですが、
グリーンのストライプは相当細いため塗装での再現は
困難と判断し、後でデカールで再現することにします。
尾翼のマスキングにはマスキングゾルも使って厳重に。
マスキング完了後、今後の塗装に備えて、色々と適当に
混ぜたブラックグレーを吹きつけておきます。

更に今回は、オイル漏れ等の表現も兼ねて動翼部分や
エンジン周りにマホガニーを吹いておきます。
画像にはありませんが、水平尾翼やタンクも同様に。

今後、この上からグレー迷彩を施すことで海軍機独特の
非常に汚い機体を再現してみようと思います。

以前作ったVF-0Sのように、画面上ではあまり
映えない塗装にならないように出来れば良いのですが…
〜2009 4/2
いよいよ機体の本塗装に入ります。

まずMr.カラー308番を使用し、機体全体を
パネルを一枚ずつ塗り潰していく感じで
パネルラインを極力避けながら、薄く塗装していきます。

薄く吹き重ねるのは、一度に塗り潰そうとすると
色の違いがはっきりしすぎてしまうのと、
エアブラシのミスト跡が目立ってしまうため。

画像は吹きつけ作業一回目。
308番で塗る部分は更にこの後数回に分けて重ねますが
307番で塗る部分はこの段階で止めておきます。
一応上下2色の迷彩塗装なので、説明書を拡大した
型紙を作って塗り分けています…が、
結構強めにグラデーションにしたせいか
迷彩パターンがさっぱり目立ちません。

まあ実機でも大して目立ちませんので良しとしますが、
無駄な労力を費やしてしまった気分…
主翼上面の塗装途中。
パネルごとに少しずつ、ひたすら塗り潰していきます。

フラップ等の可動ラインや、実機でオイル染みなどが
確認できる部分は少し強めに下地を残します。

また一部の小さいパネル等を、意図的に下地を
殆ど残さずに塗ってみたりすると、何となくですが
実機のようにレタッチしたような雰囲気が出せます。
塗装終了の図。

デジカメで撮ると、大抵の場合グラデーションがさっぱり
わからなくなってしまうため、今回はかなり強めに
下地を残してみましたがどうでしょうか。
海軍機だけに実機も相当汚いので、
これくらいやってみてもいいかなと思うのですが…

ちなみに実機写真なんかを見てみると、この汚れ方は
実機とは真逆のパターンであることがわかると
思いますが、スケール的な問題と、模型的な見栄えを
考えて、あえてこのような汚れ方にしてあります。
機体の本塗装終了後、脚収納庫の塗装を行います。

マスキングテープで少し大きめにマスクした後、
A4程度の紙に穴を開けて更にマスキングテープで固定。
エアブラシを出来るだけ細吹きにして、
Mr.カラー316番で収納庫内部を塗装します。

機体上面はマスクしていませんが、細吹きなら
この程度のマスキングでも全く問題ありません。
〜2009 4/10
アンテナ等の細部塗装と修正を終わらせた後、
スミ入れ兼ウェザリングを行います。

今回は基本的に濃いめのグレーを使用し、
黒はフラップ等の可動部や、メッシュ等の開口部分に
アクセント的に使用します。

パネルラインが少々浅く綺麗にスミが流れない上、
リベット等も多いため今回は(も?)少し広めの筆で
パネルラインをなぞるようにしてスミを入れます。

ある程度乾いたところで、綿棒で一度薄く全体に広げ、
もう一度乾燥させた後、すりこむような感覚で
気流や雨垂れ、オイル漏れ等を意識して拭き取ります。
スミ入れ終了後、エアブラシや面相筆を使用して
局部的なウェザリングを施します。
実機の写真がとても参考になりますが、
そのまま再現しようとすると大変なので程々に。

今回は主翼折り畳みライン、前縁フラップの作動部(?)、
後縁フラップ、ストレーキ後部左の丸い二連ダクト、
胴体下部エンジン付近、水平尾翼ラダー外側下部、
エアブレーキ前左右の穴、機銃口など
色々な部分にスモーク等で汚れを強調します。

後のクリアーコートで意外と目立たなくなるので、
ちょっと濃いかなーと思うくらいにしておきます。
ウェザリング終了後、デカール貼りを行います。

今回はハセガワの限定版付属デカール、
"Chippy Ho 2001"を使用予定でしたが
最初に貼った胴体帯の時点で、あまりの硬さと
インク(?)の弱さに不安を感じ、使用を断念。
急遽、ハセガワ定番キットD帯8番付属デカールの
1998年11月時点のものを使用することになりました。

機体の仕様の差異は現在確認できていません。
多分大丈夫だとは思うのですが…ちょっと心配。

なお、キットはアカデミー製ですが、サイズについては
殆どのものは問題なく使用することが出来ました。
発色や透け具合、ニスの多さでは限定版に劣りますが、
扱いやすさではこちらの方が圧倒的に良いです。
まあ私の腕の問題というのも大きいのですが…

ウォークウェイや尾翼のチッピーヘッドは
凸凹にかかる部分が多いので、マークソフター等で
きっちりと馴染ませておきます。
ただ、ウォークウェイだけは切り込みを入れる必要が
あるため、塗装の方が良かったかも知れません。

ところで、実機写真が殆ど見当たらないので
何とも言えませんが、このデカールと説明書、
考証面では少々怪しい部分が点在します。
デカールの乾燥後、クリアーコートを行います。
今回もクレオスのスーパークリアー半光沢を中心に、
グレートーン等を混ぜたものをエアブラシで吹きます。

半光沢仕上げにするつもりでしたが、調合のせいか
殆ど艶消し状態になってしまいました。

実機では垂直尾翼内側等は光沢仕上げですが、
中途半端にそこだけ光沢にすると不自然になるため
全体を半光沢(のつもりの艶消し)で統一しています。

クリアーコート後、翼端灯等のクリアーカラー部分を
タミヤのエナメルを盛るようにして塗装します。
〜2009 4/23
完成へ向けて細部の工作を行います。

エンジンノズルは内部まで細かく再現されていますが、
開口部が小さく完成後は殆ど見えません。
内部の材質はセラミックのため、一旦白で塗った後
エナメル系塗料で筋状の排気汚れを再現します。

アイリス板は分割部のモールドが甘いので、
Pカッターやデザインナイフで段差と隙間を強調します。
塗装にはガイアカラーのガンメタルを使用しました。
仕上げにウォッシングを行い、ギラつきを抑えます。
ランディングギアはそれなりに再現されています。
前脚には多少の間違いもありますが、目立ちませんので
今回は(も?)パーツそのままで使用します。

普通に白で塗装後スミ入れを行い、付属するデカールを
貼り付けた後クリアーコート、最後にオレオ部を
タミヤペイントマーカーのシルバーで仕上げます。

注意書きデカールの付属は雰囲気が良くなるので
ありがたいのですが、実機と全然違うのは少々残念です。
また、前脚前側のシグナルライトのデカールは
付属しませんので、ハセガワの1/72 F/A-18E付属の
デカールより流用しました。
脚に車輪を取り付けた後、機体に固定します。
主脚は取り付け角度がかなり曖昧なため、
角度調整を怠ると機体が傾きかねないので要注意。

脚収納庫カバーは先に外側を塗装した上で
マスキングして内側を塗装、ウェザリングの後に
フチをエナメルの赤で塗り、はみ出しを修正します。

米海軍機につきもののカバーの赤い縁取り、様々な
方法があるようですが今回はエナメルを使用しました。
大体上手く行ったのですが、はみ出しを拭き取る際に
艶消しの部分にシミが残りやすいのが難点でしょうか。
ドロップタンクとパイロンは、基本的に機体と同様に
工作、塗装と仕上げを行います。

ただし、実機写真を見るとわかりますがドロップタンクは
機体と比べても相当汚い場合が多いので、
パイロン付け根付近やタンクの下半分の、特に目立つ
雨垂れのような汚れを筆で描き込んで再現します。

なお、パイロンとタンクの接触部分付近の塗装指示は
間違いが多いため、注意が必要です。
このキットの場合、特に塗装が必要なのは
主翼下パイロンの両面にある小判状の穴のみです。
タンクとの間のツメっぽい突起や、その付け根部分は
機体色と同じグレーで塗装されています。
武装類の製作。
左からAGM-88HARM、AIM-9Lサイドワインダー、
AIM-7Mスパロー、AN/AAS-38FLIRポッドです。

HARMはハセガワのF-16CJよりアダプタと共に流用、
AIM-9LはフジミのF/A-18Cから、AIM-7MとFLIRは
キット付属のパーツを使用しています。

AIM-9Lはキットにも付属するのですが、
尾部が分割上変な状態になるので今回は不使用。
ジャンクパーツのフジミ製から持って来ました。

ミサイルはそれぞれ噴射口をそれらしく開口、
ストライプデカールを貼ってそれらしく仕上げます。
今回の搭載兵装は、マルチロール機ということで
対空/対地/対艦に対応した兵装を選んでみました。
HARMは対艦攻撃にも使えるそうです…一応。

機体への取り付けにはクリアーボンドと瞬着を併用。
キット付属のパイロンや兵装はそのままですが、
AIM-9Lはランチャーにダボがあるので切り飛ばします。

また、HARMは先にパイロンへ付けてから取り付けます。
実機では、HARMは専用のランチャーを介して
パイロンへ装備されるため、パイロン側のピンを切除して
F-16CJから流用したランチャーを先に接着します。

今更ながらコクピットの仕上げ。

パイロットシートはキット付属の物を使用。
キットの塗装指示は完全に間違っているため、
実機写真を参考に塗り分けます。
側面のデカールが良いアクセントになります。

パイロットフィギュアはHARM同様F-16CJより。
近年見られる形状のバイザーを装備しています。
右腕がサイドスティックを握っている角度だったため、
切り込みを入れて曲げた後、瞬着で固めました。

HUDはキット付属のクリアーパーツを使用。
フチをクリアーグリーンで塗って何となくそれらしく。
キャノピーは後部にのみ中心にパーティングラインが
入っているため、1000番以上の耐水ペーパーと
数種類のコンパウンドを使用して綺麗に消します。

フレームは内側が黒なので、最初に黒で塗ってから
周囲から浮かないように陰影を付けながらグレーで塗装。
デカールを貼ってクリアーコート後、マスクを剥がして
ハセガワのコーティングポリマーで磨き上げます。

キャノピー後部は工作段階でかなり調整を行いましたが、
結局接着段階になって左側に隙間が生じてしまいました。
微妙にずらしてみても誤魔化し切れませんので、
残念ですが今回はこのままで接着して仕上げます。
最後に各部の細かいアンテナ類を接着した後、
水平尾翼を差し込んでようやく完成です。

製作期間約2ヵ月、軽く作るつもりがキットの出来や
意外なまでの資料不足に苦労させられながらも、
何とか自分のイメージ通りに仕上げることができました。
色々と失敗した点や不満な部分はありますが、
まずは無事完成させることが出来て満足です。

思えばかなり久々の実在機の実在カラーでの製作、
架空機にはあまり無い考証の難しさがありましたが
これはこれで面白いものでした。
ただ、自分としてはやはり自由な部分の多い
架空機の方が性に合っているようですw


inserted by FC2 system