ハセガワ1/48 VF-1バルキリー製作記 2010 3/1〜4/4完成

2010 3/1〜
ハセガワの1/48 VF-1バルキリーです。

つい先日発売されたばかりのキットで、発売前から
結構気になっていたのですが、ちょうどF-86Fの完成と
発売のタイミングが重なったので、折角だしたまには
新作レビューでもしてみよう…ということで製作決定。
レビューといっても結局普通に作るだけですが、
一応後から作る方々の参考になればと思っています。

前置きはこれくらいにして、いつも通り仮組から。
といっても中に仕込む細かいパーツが意外と多く、
紛失や破損が怖いのでそういうのが少ない
主要なブロックのみ組んで様子を見ます。
この段階で問題は殆ど無く、合いは非常に良い印象です。
まずはコクピットから進めます。

キットでは初代TV版のコクピットを再現しており、
劇場版の機体とは違う正面パネルやサイドコンソールが
確認出来る設定通りにほぼ忠実に再現されています。
正面パネル左の[B][G][F]レバーは感涙ものですw

1/72とは違いコンソールはモールド仕上げですが
キットにはデカールも付属しており、計器類には
少しアニメチックなカラフルな配色がされています。

モールドも非常に立体的で素晴らしい出来なのですが、
スイッチ類が思いのほか少なく、塗装では映えそうに
ありませんのでデカールを使いたいところですが…
キットのモールドは立体的過ぎてデカールが
馴染みそうにもありませんので、今回はデカールと
塗装を併用して再現してみることにします。

まず先にデカールを貼る面を黒で塗装しておき、
スイッチやレバーなど塗り分けられる部分は塗り分け、
塗り分け切れないスイッチや白い枠線、モニター等は、
デカールをパネルごとに切り分けて貼ることで再現します。
最後に全体をつや消しクリアーで整え、正面やサイドの
モニターにエナメルのクリアーを垂らしてガラスっぽくし、
正面のミラーをメッキシルバーで仕上げます。

塗り分けはアニメを参考にしていますが、確認出来る限り
デカールはスロットルと正面右の箱(?)の色が違うようです。
キットではコクピットフロアと脚収納庫前部、
コクピット後部のバルクヘッドと脚収納庫の後壁が
一体成型されており、コクピットと脚収納庫の位置が
ずれることなく組み上げられるようになっています。
バルクヘッドは1/72単座キットでは殆ど省略されていた
丸いダクト状のディテール等が追加されており、
1/48相応の立体的な雰囲気に仕上がっています。

今回はグレーで塗装後に目立たない程度に塗り分け、
スミ入れ、ドライブラシを行ってみましたが
やはり画像では殆ど見えませんね…残念。

なお、脚収納庫との塗り分けは先にコクピットを塗装し、
後で脚収納庫を白で塗った方がマスキングが楽です。
ひとまずコクピットを組んでみた状態。
この段階で1/72とはかなり出来に差が出ています。
TV版は劇場版と違い、サイドコンソールがある分
精密感というか凝縮感が出て良い感じです。

座席後方にある箱状のパーツ(B体形のモニター類)は
細かいモールドにデカールや塗装指示が無いので、
雰囲気重視で適当にちまちまと塗り分けてみました。
スミ入れとドライブラシだけでもそれっぽくなります。

正面パネル及び「箱」、イジェクションシートなどは
塗装後に取り付けます。コクピットが仕上がったら、
レドームに念のため多少のおもりを仕込んだ後で
機首の左右を接着します。
背面のパーツの合いを確認します。

中央のパネルB20は、前端と後端に若干段差が生じます。
後端は肉厚を薄くし、本体側A7の受け部分を軽く削れば
段差は解消できるのですが、前端側は機首と繋がる
膨らみがある関係上どうしようもありません。したがって、
パネルの平面部分を本体とツライチにし、膨らみに段差を
逃がすことで、後で膨らみ側の表面を削って段差を
解消できるようにすると処理が楽になります。

接着時は流し込み接着剤である程度位置を合わせ、
指で表面を調整しながら瞬着で固定すると上手く行きます。

なお、バックパッックのパネルD6については後述します。
胴体上下、エアインテーク等は接着前に内側を
塗装しておかないと作業が進みません。

今回、機体の塗装はVF-0Sの時のような感じで
若干パネルラインの強調などを行うつもりなので、
機体表面と差が出ないように、エアインテーク等も
下地にグレーを塗った状態で白に塗装します。

塗り方はいつも通り、先に全面をグレーで塗装しておき、
パネルの内側を細吹きで白く塗り潰していきます。
なお、エアインテークの内側等は後で影になる部分ゆえ、
あまりグレーを残すと後で真っ黒に見えてしまうので、
グレーはほどほどに残すようにします。
塗装後のエアインテークを組んだ状態。
ダクト奥に付くファンのパーツK4は、最後の仕上げの
段階で塗装・取り付けを行います。

エアインテークのシャッターは仮置き状態ですが、
見て分かる通りエアインテークの上面先端はシャッターで
隠れないため、合わせ目が見えてしまいます。
結構見落としがちな部分なので注意が必要です。

なお、エアインテークの内側には押し出しピンの跡が
ありますが、殆どが凸なのでパテ埋めは必要ありません。
1、2個存在する凹のピン跡は周囲を軽く削ると消せます。
サブインテークのパーツ、C24とC25は下側のパーツに
接着するようになっていますが、それだと上側と
上手く合わないので先に上側と接着してしまいます。

また、上側との合いもあまり良くないので、角のあたりを
削って調整しておく必要があります。

C24、25はインテークの奥が抜けておらず
壁になっていますので、突き当たりをつや消し黒で
塗装しておくと何となく奥行きがあるような感じになります。
機体下側には可変翼用の歯車等が収まります。

機構自体はあまり1/72と変わりませんが、
歯車が外から見えないよう目隠しのパーツC11、12が
追加されていたり、1/72で問題だった歯車外れを防止する
ピンが付いていたりと、確実に改良が見て取れます。

歯車外れ防止のピンは赤丸部分ですが、歯の位置関係上
外れそうになった場合負荷がかかるのは13番なので、
折れないようにプラ棒で気休め程度に補強しておきます。
主翼は裏側の中央が別パーツのオーソドックスな
構成ですが、合わせてみると中央のパーツが
引っ掛かってうまく入りません。
中央のパーツを軽く削って何とか入るようにすると、
今度は周囲と結構な段差が生じてしまいました。

結果的に、中央のパーツは裏側含め結構な量を
削ることとなりました。そんなに複雑な形状ではない
部分だとは思うのですが、何故こんなことに…

ちなみに、中央のパーツは裏側に武装用と思われる
隠し穴と丸い凹みがあり、ウェポンセットの発売を
想定していると思われます。ただ、片側4箇所しかないので
一部の仕様では数が足りないのですが…
バックパック後部のD1パーツは吸気口であり、
後ろから見たとき結構目立つ部分ですが何故かここは
1/72と同様に何のディテールも無く、底も浅い状態です。

形状が微妙なため穴開けは面倒ですので、
せめてフィンだけでも追加しておきます。

ソフトバンククリエイティブ発行の
「VFマスターファイル VF-1バルキリー」を参考に
5mm間隔で幅約1.5mm、高さ約5mm、厚さ0.3mmの
プラバンでフィンを5枚追加します。実はちょっと
本の画像とは違うのですが、雰囲気重視ということで…
エアインテーク脇のバルジA1、21はカウンターバーニア
ということになっていますが、キットでは単なる浅い窪みに
なっているため追加工作を行います。

まず2.5mmのドリルで楕円の中心付近を垂直に0.数mm
掘り込んで引っ掛かりを作り、刃が滑らないように
少しずつ斜めに倒しながら掘っていき、最終的には
真横に倒して貫通させます。バルジの内側には
位置合わせ用のピン受けがありますが気にしません。
後は穴にノズルパーツを突っ込んで完了です。
(画像は丁度合うサイズが無かったので代用品を使用)

文だけだとわかりにくいと思いますが、やってみれば
わかると思いますのでお試しを。
機首側面のバルジB1、B2はセンサーとなっており、
キットではクリアーパーツも用意されていますが
今回製作する機体は初期型のため、エアインテーク脇と
同様にカウンターバーニアが装備されています。
というわけで↑と同様に追加工作を行います。

最初から窪みがはっきりしている分、穴開け作業は
こちらの方が断然楽です。普通に正面からピンバイスで
2mmの穴を開ければそれで完了です。
ノズルはインテークのと同じだと少し大き過ぎるので、
一回り小さい直径1.5mmのものを使用します。

なお、クリアーパーツ用の窪みは塗り分けに使えるので
埋めずにそのまま残しておきます。
そろそろ頭部にも手を付けておきます。
今回はA型の頭部を使用します。

構成はオーソドックスですが、合いが非常に良い上に
分割線も目立たないので製作は簡単です。
砲口が最初から開口済みなのも嬉しいですね。
唯一惜しいのはレーザー砲の砲身が後ハメできないこと。
塗装を考えると後から取り付けたいのですが、構造上
結構な改造をしないと後ハメ加工は無理そうです。

なお、頭部のカメラアイにはクリアーパーツが
用意されていますが、あまりに収まりが良いため
ファイター形態では全く見えなくなってしまいます。
脚部兼エンジンブロックの製作。

説明書通りに組めば特に大きな問題はありませんが、
内部のフレームはちゃんと仮組を繰り返して位置関係を
把握しておかないと後で大変なことになります。

とりあえず注意点は、C28とC29が曲がらないように
一度エアインテークと仮合わせしてみてから接着すること。
また、C27、C26は裏側のピン跡が脚収納庫から
見えてしまうので注意すること。

後は適当に補強を入れながら一箇所ずつ接着していけば
頑丈に組み上げられるはずです。
エンジンノズルが収まる部分の内側は後から多少
見えるため、先にグレーを塗装しておき、フチの段差の
部分を塗り分けラインとしてマスキングしておきます。
なお、エンジンノズルは1/72と違い後で組み込めます。

エンジン側面のカバーは脱着のためのピン等が無いので
脱着式にするために内側に磁石を仕込みます。

エンジンブロック側は調度良い具合に凹みのモールドが
あるのでそこにはめて接着、ランナーで補強して固定。
カバー内側は画像では両面テープで留めていますが、
後でちゃんと接着します。なお、当然ながら溶剤系の
接着剤は効かないので瞬着を使用します。
こちらがエンジンブロック側に使用した磁石。

ホームセンターで購入した事務用マグネットです。
表記はありませんでしたが多分ネオジム磁石です。
5個入りで300円程。同等品が東急ハンズ等でも
販売されていますが、あちらよりはるかに安価です。
なお、100円ショップでも同様の商品を見かけましたが
店頭で試した限り、こちらと比べてかなり磁力が
弱いように感じられました。

磁石自体はプラスチック製の本体の中に入っており、
そのままだと大きくて邪魔なので古いニッパーで
思い切り挟んで粉砕して磁石だけを取り出します。
側面カバー側には充分なスペースが無く、↑の磁石が
収まらないため、今回はイヤホンのスピーカー部分に
使用されている磁石を取り出して使用しました。

断線したイヤホンのスピーカー部分をニッパーなどで
切断しながら分解(というか破壊)していくと
画像のような部品が出てきます。赤丸が磁石です。
なお、もう一つ別のメーカーのイヤホンを分解したところ
こちらは磁石がピンで固定されており、外せませんでした。

もっとも、こんな貧乏臭いことしてないで東急ハンズの
ちゃんとした薄型磁石買ってくれば済む話なのですが…
エンジンブロック側面のモールド部分。

よく見ると膝関節のフレームっぽいものや、
エンジンノズルを作動させるアクチュエーターがあったりと
それっぽいモールドになっており雰囲気は出ています。
ただし全てが一体成型となっているため、配管や
アクチュエーターなど丸断面のものは上下方向から
見ると少々リアル感に欠けるのが残念です。

もっとも、こんな所開けて作る人も少ないでしょうし
ここに力入れて肝心の部分がダメになるよりマシですがw

今回はお遊び的な部分として、キットそのままで
軽く仕上げてみたいと思います。
実機資料があるわけでもないので、パイピング等の
追加工作は一切行わずに塗り分けだけで仕上げます。

まず全体を一旦ガイアのスターブライトジュラルミンで
塗装した後クリアーコートし、細部を筆で塗り分けて
エナメルでウォッシングします。

塗り分けは参考資料が殆ど無いので、殆ど想像や
勝手な自分理論に基づく色分けを行います。

とりあえずシリンダーはメッキシルバー、
タンク類はグレー系、穴っぽいところは黒、
パイピングはガンメタ、その他おもちゃっぽくならない程度に
金や赤でアクセントを入れています。
側面カバー内側や脚カバーの内側には多数の
ピン跡が残っているため、溶きパテや瞬着で埋めます。

脚カバー内側は結構凸が多くて楽なのですが、
側面カバーは殆どが凹なのでパテ埋めが必要となります。

面倒ですが、消しておかないと後で意外と目立ったりして
気になってしまうので、自己満足的ではありますが
一応見える部分のピンは全て消しておきます。
キットのガンポッドは銃身がかなり奥まっている上、
銃身のモールドが貧弱で何となく物足りない出来です。

正面から見た時、結構目立つ部分なので思い切って
作り直します。まずモールドをガイドに直径1.5mmの穴を
開け、内径1.2mm、外径1.6mmくらい?の真鍮パイプを
差し込みます。最後に、ピンセットなどで3本の銃身が
中心から等距離になるよう調整し、砲口から少し奥まった
位置に来るように調整して瞬着で固定して完成。

まあ雰囲気は良くなった…か?
ガンポッドは基本的に左右分割ですが、尾部の一部が
別パーツになって居る他、クリアーパーツも付属します。

↑で製作した先端部分の方が直径が少し太いため、
本体と段差が生じます。ここは一旦接着した後で、
先端部分の周囲を削り込んでラインを繋げます。

ガンポッドと機体の接続部分は正面から見てT字型に
なっており、左右の腕と腕の間に挟み込む形になります。
がたつきにくくて良いのですが、その一方で腕の固定後は
接続部が取り外せなくなるので、取り外し式にしたい方は
何かしらの改造をする必要があります。
胴体とバックパックパーツD6のビーバーテイル部は
仮組の時点からあまり合いが良くありませんでした。

製作中に何回か仮組を行い調整してきましたが、
結局軽い削り合わせでは上手く行かなかったため
最終的に裏側のピンを大幅に切り詰め、接着面の周囲を
一回り小さく削り込むことで何とか合わせました。

結局いつまでも合わなかった理由は不明ですが、
元々あまり精度が良くない部分なのかも知れません。
全体に精度はかなり高いキットなのですが…

接着後は瞬着で隙間を埋め、分割ラインをスジ彫りして
周囲と違和感が無いように仕上げます。
色々仕上がったらサフ吹いて下地の状態を確認します。
今回もいつも通りタミヤの瓶サフを使用。
書くまでもありませんが、当然コクピット、エアインテーク、
エンジン等先に塗装した部分はマスキングしておきます。

今回は大してパテ等を多用する部分は無かったので
修正部分は少ないですが、案の定合わせ目などには
処理が不十分な部分が散見されたため修正します。

元々合わせがタイトだったため、尾翼や機首など
当初ぴったりだった部分はサフの厚みのせいか
微妙に隙間が生じるようになってしまいました…
とりあえず塗膜を削って調整しましたが、こういう部分は
先にマスキングしておくべきだったかも知れません。
基本塗装に入る前に、塗り分ける部分を先に塗装します。

サブインテークは指示通りMr.カラー331番グレーで塗装。
ただし塗り分けラインを勘違いしていたため、画像の
マスキングは後で剥がしています。

ヒザ裏の蛇腹状のモールドも同じグレーです。斜めからは
殆ど見えませんが、真横から見ると微妙に見えるので
一応ちゃんと塗り分けておきます。
エンジンブロックのタービンラインと頭部の赤矢印も、
先にMr.カラー327番を先に塗装しておいてマスクします。
サフのグレーの上にそのまま吹くのは発色が心配なので
先に適当な白を吹いてから塗装します。

頭部の赤矢印は1/72用のデカールを採寸して
1/48用に拡大したデータを作成、インクジェットプリンタで
ラベルシールに印刷し、切り抜いてマスキングに使用。


塗り分けが必要な部分のマスキングが終了したら、
一旦全体をMr.カラー116番で塗って色を統一します。
グレーの上からガイアカラー024番コバルトブルーで
パネルラインを残し気味に、必要な部分を塗装します。
このコバルトブルーは比較的隠蔽力が強く、
116番ブラックグレーの上からでもちゃんと発色しました。

コバルトブルーの塗装後、ストライプとして残る部分を
テープ等でマスキングしますが、主翼のストライプだけは
外側に行くにつれて細くなるので、キットのデカールを
コピーしたものに両面テープを貼って使用しました。
他は普通に市販のマスキングテープです。太さは
5mm、6mm、7mmのものをそのまま使っています。

コバルトブルーのマスキングが終わったら、もう一度
116番で全体を塗装しコバルトブルーの痕跡を消します。
ここからいよいよ基本塗装。
いつも通り定番中の定番、Mr.カラー316番を使用します。

今回もVF-0SF/A-18C同様、いわゆる「黒立ち上げ」
塗装を行います。これは再塗装跡及び色ムラの表現、
パネルごとの僅かな色の違いの表現等が目的です。
航空機ではあまり使われない上にVF-0Sの時は割と
不評だった手法ですが、私は結構気に入っているのと
これ以外だとベタ塗りくらいしか出来ませんので…。

特に難しいことはなく、とにかくひたすら極細吹きで
パネルラインの内側を少しずつ塗り潰していきます。
ただ、一応汚しの一環なので、下地の残し具合等は
そこがどう汚れるか等も考慮して決めていきます。
黒地に白という、絶望的な隠蔽力の組み合わせで
ひたすら細吹き繰り返すこと十数時間…
ようやくおおむね納得出来る状態になりました。

一旦主要パーツを組み合わせてみて、あまりに色が
違う部分が無いかを確認したらマスキングを剥がします。
(画像はブルーのマスキングのみ剥がした状態)

ちょっと下地の残りがキツめかも知れませんが、
大体イメージした通りになったので良しとします。

余談ですが、ストライプのマスキングの際に取り付けた
エアブレーキは塗膜の厚みのせいか外れなくなったので
今回はエアブレーキは閉状態で行きます。
キットのデカールではストライプに統合軍マークが
重なる部分はちゃんと丸く抜けていますが、
今回は塗装してしまったので後から白く塗装します。

オルファの円切りカッターで、マスキングテープに
丁度いいサイズの穴を開け、デカールから採寸した
所定の位置にテープを貼って白を塗装します。

なおこれはあくまでデカールの下地であり、ストライプの
青が透けなければ問題ないので、あまり厚塗りしてまで
しっかりと白を発色させる必要はありません。
サブインテークはこの時点で再塗装しました。

なお、これでも微妙にライン間違っているのですが、
本来のラインで塗装しようとすると下地から
修正しなければならないレベルになってしまうので、
一応違和感無く仕上げられるこのレベルで妥協します。

下地処理の段階で塗り分けを勘違いしていなければ
まだ修正きいたかも知れませんが後の祭り…

サブインテークのついでに、同色となる
インテークカバーや脚側面の丸部品、
腕の手首カバー等も同時に塗装しておきます。
大体塗り分け終わったらスミ入れを行います。

今回もいつも通りエナメルのグレーを適当に塗って
綿棒で全体に塗り広げ、パネルごとに拭き取っていきます
拭き取りの際には気流や雨垂れ等も意識します。

基本色が白なので薄いグレーで…と思っていましたが
気がついたらいつも通りジャーマングレー使ってました。
気が付けばやり過ぎになっているのもいつも通り orz

なお今回は油漏れの描き込み、局部的なスモーク等は
クリアーコート後に行うこととし、この時点では基本的に
スミ入れのみを行います。
カカト等の長方形の凹、マルイチモールドのくぼみ等は
スミ入れの手法を応用して塗装します。

特に難しいことはなく、糸を引かない程度に濃くした
エナメルのフラットブラックを小平筆で塗装し、
凹部のブラックを拭き取らないように気を付けながら
はみ出した部分を綿棒で取り除けば終了です。

後で気付きましたが、長方形の凹部はデカールが
ちゃんと用意されていました orz
説明書だと塗装図でも組立図でも33番で塗装する
指示があったので、てっきりデカールが無いのかと…
デカールの内容はしっかり確認しましょう、反省。
機首、インテーク側面のカウンターバーニア周りも
↑と同様の手法を用いて赤で塗装します。

ただし、↑はフラットブラックだったので拭き取り時に
多少残っても違和感ありませんでしたが、こちらは
エナメルシンナーだけだと微妙に赤が残ってしまい
周囲だけピンクっぽくなってしまうので、エナメルで
大体拭き取った後は、ハセガワのセラミックコンパウンドで
磨いて完全にピンクっぽさを取り除きます。

なお、このカウンターバーニアは資料を見ると白や黄色の
機体もあるようですが、今回製作する機体は少なくとも
機首が赤なのが確認出来たので、インテーク側面も
同様に赤で塗装しました。
以前製作したバックパック後部の吸気口も
一応「穴」なので黒く塗装しておきます。

筆で塗り分けるのは大変なので、ガンダムマーカーの
油性極細スミ入れ用を使用して輪郭をなぞり、
内側をエナメルのフラットブラックで塗り潰して仕上げます

なおこの吸気口のパーツD1ですが、今回は機体と別に
塗装していますが、後でバックパックに取り付ける際
かなり隙間が小さく入れるのに一苦労したため、
特に理由がなければ説明書通りD6とD2を接着する前に
D2側に接着しておくことをおすすめします。
エアインテークカバー、腕の手首カバー等も
そろそろ機体に取り付けておきます。

エアインテークカバーは、説明書でもまずインテークの
左右を貼り合わせてから上から取り付けるように
なっていますが、実際はかなり幅が狭く、特に塗装後は
それこそ押し込むようにしないと入らないので、事前に
幅を削るなりして調整しておいた方が良いかも知れません。

今回は大丈夫でしたが、無理に押し込むと恐らく
インテーク内壁の塗装が削れてしまうと思われます。
可能であればインテーク貼り合わせ前に仕込んだ方が
安全ですが、インテーク前端の合わせ目処理が難しく
なってしまうのであまりおすすめ出来ません。
機体各部にある、マルイチモールドの「イチ」にあたる
横棒を接着していきます。

横棒は全部同じに見えて3種類ありますが、
予備はK31が1つだけ(Kランナー2枚で1つ)なので、
無くさないように注意が必要です。ただ、エンジンブロック
内側前方のK31(2つ)とバックパック側面のK23(2つ)は
完成後は殆ど見えないので、最悪そこから持ってくれば
済むのですが…。なお、K31とK24は少し調整すれば
普通に代用可能です。

全体的に微妙に合いが悪いので、仮組みしてみて
長さや厚さを調整しながら流し込み接着剤で接着します。
もう一度主要パーツを合わせてみました。

基本塗装終了後の状態と比べてみると、
だいぶそれらしくなってきたように思えます。

機体そのものはかなり完成に近づいているのですが、
実はエンジンノズルやガンポッド、コクピット等は
全然進んでいなかったりします。
本当はその辺も計画立ててやるべきなんでしょうが…

スミ入れが終わればようやくデカール貼り…ですが今回は主要なマーキング類は自作となるため、
先にデカールを作成する必要があります。
いつもの枠だけだと書ききれないのでこのスペース使用してちょっと詳しく書きます。

今回はVF-1マスターファイルに掲載されたSVF-37所属のVF-1JAを再現しますので、
まずは本に載っている塗装図を参考に必要なデカールを確認します。

自作が必要となったのは垂直尾翼のテイルレター"MN"、母艦名を示す"PROMETHEUS"、モデックス下2桁の"10"、
ベントラルフィンの部隊番号"SVF-37"、機首のモデックス"710"、フラップ上面のモデックス"710"、
コクピット後方の"牡牛のマーク"、グローブ部の母艦番号"CVS-101"、パイロットネームの"C・REGER"です。

使用したフォントはAmarillo USAFというフォントで、米軍機によく用いられる角が45度のフォントです。
ちなみにハセガワマクロスシリーズの機番フォントは同じく米軍機に用いられる60度フォントが殆どですが、
今回の機体は塗装図から明らかに45度フォントなのでこちらを使用します。
60度フォントはUSAAF STENCIL等で検索するといくつか見つけることが出来ます。

使用したソフトはIBMホームページビルダー付属のウェブアートデザイナー(以下WAD)とフリーソフトのInkscapeです。
WADはロゴ製作に向いており、様々な効果を使用した文字が作成可能となっています。
Inkscapeはフリーソフトながらドロー系のペイントソフトであり、基本的にInkscapeで作成したデータ等は
どこまで拡大しても印刷時に粗が出ないという優れものです。印刷時の解像度も考える必要が無い上、
ドット系データも適当に突っ込めば単体をmm単位でサイズ変更できるので大変重宝しています。

"710""10""SVF-37"は黄色に黒ふち付きなので、WADの機能を使用して可能な限りサイズを大きく作成。
"10"は右向きと左向きの2種類の斜体が必要ですが、使用したソフトでは右向きの斜体しか作成出来ないので
左向きの斜体は一旦"01"の右向き斜体を作成し、その後左右反転させて使用しました。

"MN""PROMETHEUS""CVS-101""C・REGER"はInkscapeで作成します。
"MN"は赤のシャドーつきですので、一旦同サイズの赤と黒のMNを作成しておき、下と左右に等距離だけ動かすと
シャドー付きの文字を作成することができます。ちなみに塗装図だと"MN"は斜体ですが、本のCG画像を見ると
斜体ではなくなっています。また、前述した通り使用したソフトでは左向きの斜体が作れず、"10"のような
左右反転の技もアルファベットでは無理なので、今回はCG画像の方を信用して傾き無しで作成します。
"CVS-101"は塗装図だと何故か"CVS-1"になっていますが、空母プロメテウスはCVS-101なので
普通に"CVS-101"にしておきます。もしかしたら何か理由があったのかも知れませんが、
本に載っている他のプロメテウス所属機は全てCVS-101表記なので単なるミスかと思われます。

"C・REGER""PROMETHEUS"は白抜き文字となるので、先にベースとなる黒と青の矩形を作成しておき、
その上にそれぞれ白で文字を配置します。"PROMETHUS"と"CVS-101"は機体のコバルトブルーと
色を合わせる必要があるため、数種類の青で作成しておき、印刷してみて一番近いものを使用します。

"牡牛の絵"のデジタルデータはネット上には当然存在しないので、本に小さく載っている絵をデジカメで撮影し、
WADで切り抜きと色補正を行って使用します。印刷サイズは非常に小さいので多少の粗は問題ありません。

データを作成したら全てのデータをInkscape上に移し、縮小して必要なサイズにします。
ただし実際貼ってみると意外と大きかったり小さかったりするので、0.5mm刻みくらいで数種類作っておきます。
また、縦向きと横向きで印刷時の仕上がりが変わる場合もあるので、一部のデータは縦向きと横向きの
2種類を作っておきます。実際"710"の一部は横向きにすると何故か黒ふちが消えてしまう現象が起きました。

デカールデータが完成したら、一旦適当な用紙に印刷して大体の大きさ等を確認しておきます。
色合いはデカール用紙に印刷してみないとわからないのであまり気にしません。

チェックが終了したらいよいよ印刷です。今回使用したのはK-TRADINGのミラクルデカールです。
機体の塗装が白なので、基本的にはクリアーの用紙を使用しますが"PROMETHEUS""C・REGER"は
白抜き文字となるのでホワイトの用紙を使用します。
一応用紙には同社のベーススプレーを吹いておきますが、正直なところ効果はよくわかりません。
ちなみに、用紙は真ん中で半分に切ってA5サイズにしておきます。サイズ的にこれだけあれば十分なので。

印刷は通常のインクジェットプリンタを使用します。今回使用したのはEPSONのPX-5500です。
印刷設定はEPSONフォトシールが一番デカールに適した仕上がりになるようです。
その辺の設定は機種によって異なるのでK-TRADINGのサイトをご覧ください。

印刷後はインクを触らないように気を付けながら念のため1時間くらい放置し、
インクが乾燥したらエアブラシでラッカークリアー(今回はクレオスのスーパークリアー3)でコートを行います。
缶スプレーでもいいですが、吹きすぎてインク溶かす危険があるので今回はエアブラシを使用しました。
水性トップコートも使えるようですが、その分デカールは弱くなるようなのであまりおすすめしません。
なお、クリアーがカブると当然デカールも白く曇ってしまうので注意が必要です。
また、ホコリが付いてしまうと取り除くのはほぼ不可能なのでこちらも気をつけてください。

クリアーが乾燥したら切り出して水に漬け、通常のデカールと同様に貼り付けます。
当然ですが切り抜いた部分全てがデカール(ニス部)となるので、余白は最小限に留めておきます。
貼り付けた後、可能であれば余白はデザインナイフ等で切り取っておくと仕上がりが綺麗になります。

マークソフターやマークセッターは普通に使えますが、通常のデカール同様使いすぎると
溶けたりシミが残るので注意が必要です。元から比較的馴染み易いので、あまり軟化剤は必要ありませんでした。

乾燥後は通常のデカール同様にクリアーコートが可能です。
当然ラッカー系だと溶ける危険もあるのでご注意を。
ただ、最初からラッカークリアーでコートしてある分通常のデカールより強いような印象を受けました。
↑と若干重複しますがデカール貼り。

ミラクルデカールは特に問題なく貼れましたが、
今回問題だったのがキット付属のデカールでした。

透けにくいのはいいのですが妙に分厚く、更に硬いので
全くと言っていいほどスジ彫りやモールドに馴染みません。
クレオスのマークソフターでは何の役にも立たず、
モデラーズのデカールフィットをたっぷり塗って
ようやく普通のデカール並みに馴染む…という感じでした。

結局、モールドやパネルラインに重なる部分には
デザインナイフで切込みを入れてから軟化剤を塗って
1つづつ綿棒で馴染ませていくハメになりました。
全てのデカールを貼り終えたらクリアーコートを行います。

今回はいつものスーパークリアーグレートーンでなく
ガイアカラーのフラットクリアーを使ってみましたが、
感想としてはまあ…普通ですね。可もなく不可もなく。

スミ入れ後、デカールで隠れてしまったパネルラインを
0.3mmのシャーペンで上からなぞり、スミ入れすると同時に
若干浮いた部分をスジ彫りに完全に馴染ませます。

画像は馴染ませた後ですが、何もしないのと比べると
かなり差の出る仕上がりになったと思います。
エンジンノズルもそろそろ仕上げておきます。

機体と同時にサフ吹きまで済ませておき、次に全体を
ツヤありの黒で塗装、最後にガイアカラーのガンメタルで
エッジに軽く黒を残しつつ塗装して仕上げます。

なお、内側のフィンは塗装時に邪魔となるので
塗装後に接着します。フィンは全部同じに見えますが
一応2種類あるので、先に全部切り取ってしまうと
後で区別に困ります。
今回どう仕上げるか悩んだのが、かかとや手首にある
謎の赤い丸パーツ。キットでは47番クリアーレッドで
塗装指示があるのでセンサーやライトかと思いましたが
デカールにはBEWARE OF BLAST(噴射口注意)の
コーションデータがあったりと良くわかりません。
VFマスターファイルでは特に言及がなく、古い設定画等も
ここに触れているものはありませんでした。
HJ誌ではクリアーパーツに置き換えていましたが、何故か
コーションデータはそのままだったり、そもそも記事自体が
どうにも信用出来ない内容だったり…

というわけで、今回は自分の勝手な解釈でスラスターとし、
パーツの中心に噴射口として小さな穴を開けてみました。
まあ何となくそれっぽくはなった…でしょうか?
機首とインテーク側面に開けておいた穴に
カウンターバーニアのノズルパーツを仕込みます。

使用したのはウェーブのOボルトより径1.5mmと2.0mm。
ちなみにそれぞれ実際はかなり太さが違うので、
穴開けの際は+0.5mmくらい考えておかないと入りません。

今回、塗膜の厚みのせいか両方とも上手く入らず、
ドリルで穴をさらったりノズル側を細く削ったりして
ようやくすんなり入れることができました。

塗装は入れる前に済ませておき、接着には
極少量のクリアーボンドを使用します。
主脚前カバーの赤青ライト(?)はクリアーパーツが
用意されているので、それぞれ塗装した後で
裏からSTUDIO27のメッキ調デカールを貼ってみました。

大きめに切ったものを貼り付けた後、デザインナイフで
余分な部分を切り取ります。

ちなみにハセガワのミラーフィニッシュを使わなかったのは
以前買ったこのデカールが手元にあったからという
それだけの理由ですが、ミラーフィニッシュと比べても
まあまあ良い感じの仕上がりになったと思います。
主翼前縁のライト、翼端灯等も同様に仕上げますが
翼端灯は面積が少なくデカールだと剥がれてしまうので、
ラピーテープを使用しました。

また、画像はありませんが前脚の前面カバーにも
ライトがあり、こちらにもラピーテープを使用します。
デカールだと丸型のクリアーパーツに貼り付けてから
ナイフで余白を切り抜く際に剥がれてしまうのが理由です。

なお、クリアーパーツの合いは概ね良好ですが
主翼前縁のライトだけは微妙に削り合せが必要です。
クリアーパーツの側面と、主翼側の下側を少し削ると
良い感じになります。
インテーク奥のファンを取り付け、エンジンノズルと脚周りを
取り付けてエンジンブロックは完成となります。

着陸脚は前脚、主脚共にとても組み易く、簡単かつ
確実に組み立てることが出来ます。そのままでも
十分な出来なので、ジャンクデカールから適当な
コーションデータを貼ってアクセントにします。

ただ注意したいのがカバーと脚の組む順番で、
よく考えてから組まないと後から干渉してしまったり
取り付けに苦労することになるので注意が必要です。
基本的には説明書の指示通りが無難です。
すっかり放置されていたガンポッドも仕上げます。

塗装からスミ入れ、デカール貼りの工程は
機体と同様の手順で行います。
ただし、使い捨てられることも多い装備なので
下地の残しやスミ入れの拭き残しは控えめに行います。

最後にクリアーパーツのセンサーを取り付け、
銃身をメッキシルバーでサッと塗ってアクセントにします。

なお、前方の黄色いコーションデータ(55番)は
片側は窪みがあるのでそれに合わせて貼り付け、
もう片側は反対側と対称になるように貼り付けます。
ちなみにこの窪み、1/72では両側にありました。
頭部はデカール等も特に無いのでこれで完成です。

カメラアイのクリアーパーツは結局取り付けていません。
完成後は完全に見えなくなるので、何かに使えるかも
ということでジャンクパーツとして保管しておきます。

側面後部のルーバー状のモールドは、
深くなっている側の底を極細のマーカーでなぞっておくと
何となく開口されているような雰囲気になります。

頭部は説明書の指示通り、腕部とガンポッドより先に
機体に固定します。腕部を先に接着すると、
ガンポッドが邪魔になって頭部が入らなくなります。
パイロットフィギュアを製作します。

透け防止に一旦全体をダークグレーで塗った後、
全体を白で塗ってから面相筆で細部を塗り分け、
スモークで適当に陰を入れたらつや消しクリアーで
コートし、バックルのシルバーを塗って完成です。
なお、ヘルメットは体とは別にツヤありで塗装します。
ヘルメットは一部塗り分けやモールドに間違いがあるので
簡単に可能な範囲で修正しておきます。

なお、塗装後に気付きましたがそのままだと頭が
キャノピーと干渉してしまうので、ふとももの裏や尻、
かかとを大幅に削り込んで調整します。今回は、
太ももの太さが半分になるくらい削る必要がありました。
コクピットを仕上げます。
イジェクションシートは指示通りに組み立て、側面に
適当なコーションデータのデカールを貼っておきます。
HUDは今流行のオーロラフィルムを貼ってみました。
画像だと目立たないのですが実物はとても綺麗です。

キャノピーは2つ付属する内Ω型断面の方を使用しました。
なお、通常型の方は問題ないのですが、Ω型断面の方は
側部と前部に機体との間に段差が生じるので、
フレームをかなり削り込んで調整する必要がありました。

パッと見だとあまり分からないので、こだわらないなら
通常型のキャノピーを使った方が楽だと思います。
あとは各ブロックを組み合わせ、小さなアンテナ類を
接着すれば完成です。主翼、エアインテーク、
エンジンブロック及びカバーは接着していません。

およそ1ヶ月で完成となりました。
途中で結構無駄な寄り道もあったので、効率よく
進められれば手の早い人ならすぐ完成すると思います。
これでも私としては結構早い方なんですけどね…w

最新キットと言うことで甘く見ていた部分もあり、
多少手間取りましたが無事完成させることが出来ました。
新作レビューという目標はあっさり未達成となりましたが、
とりあえず自分で満足できたからまあOKとします。
               って結局いつものパターンか…


inserted by FC2 system