タミヤ1/35 陸上自衛隊74式戦車 2008 11/20〜 製作中

2008 11/20〜
約2年8ヶ月ぶりの製作となるAFV、タミヤの74式戦車です。
マクロス・航空機キットばかり作っていた反動か、
久々にAFVキットが作ってみたくなったため製作決定。

実は3年前、M1A1エイブラムスの約3ヶ月前に
このキットを途中まで製作したことがあるのですが
作業中、不慮の事故によりお蔵入りとなっていました。
というわけで、今回はその時のリベンジも兼ねて
当時よりも良い物を作ることを目標として製作に臨みます。

とはいえ、AFVに関してはほとんど初心者同然なので、
基本をしっかり押さえつつ、また雑誌等を参考に
無理をしない程度の追加工作に挑戦してみようと思います。
個人的にAFVは鬼門ですが、果たしてどうなるか…?w
では早速、仮組から製作開始。

前に組んだことがあるのである程度の問題点は
把握できているのですが、一部パーツに
以前は見られなかったバリや荒れが見られました。
少々古いキットですので、その辺りにも十分気を配りつつ
製作を進めていこうと思います。

そして現れる、最初にして最大(?)の問題点。
車体上部と下部の間に生じる巨大な隙間です。
恐らくモーターライズキットだった時代の名残だと
思われますが、サイドスカートの存在しない74式にとっては
ちょっと無視して通ることは出来ない部分です。
この部分の処理はいくつか方法がありますが、
今回は最も簡単と思われるこの方法を採ります。

まず車体上部の裏側の形状に合わせてプラ板を切断。
車体下部、車体後部パネルとの干渉部分を切除し、
十分な位置合わせの後に車体上部に接着します。

この方法であれば、上部と下部の隙間だけではなく
車体上部裏側の凹み部分も同時に隠すことができるため
作業が非常に楽に進められます。

この後、車体上部とプラ板の間に生じた隙間を
瞬間接着剤とラッカーパテで埋めておきます。
〜2008 11/28
やる気の失せないうちに、まず塗装前に可能な限りの
ディテールアップ工作を行うこととします。

車体各部の取っ手を0.4mmの真鍮線で置き換えます。
方法は解説するまでも無いと思いますが一応…

真鍮線をラジオペンチ等で『コ』の字型に曲げておきます。
パーツ表面にモールドされている取っ手を切除後、
ピンバイスで真鍮線の太さの穴を取っ手の位置に開け、
真鍮線を差し込み、(可能であれば裏から)接着します。

(左がキットのまま、右が置き換え後)
車体後部のものも同様に。

慣れてしまうと実に簡単な工作な上、元のモールドよりも
格段に雰囲気が良くなるためおすすめの工作です。

今回は目立つ部分は大体置き換えていますが、
画像左上のエンジン部のメッシュ脇のもの、
砲塔上面の小さいもの等は、置き換えても大した効果が
期待できない上、周囲のモールド等の関係から
作業が少々面倒なため置き換えは行っていません。

…つーかそれだけのスキルが私に無いだけなんですがorz
キットでは完全に無視されているアンテナガード。
割と目立つ部分ですので、作っておいて損は無いでしょう。

製作途中の画像は無いのですが、特に説明無くとも
ちょっと工夫すれば誰にでも作れると思います。
上側フレームの『凹』型部分の曲げが難所でしょうか。
先の細いプライヤーがあるとかなり楽かと思います。
私はラジオペンチ作ったので地獄見ましたがw
なお、縦のフレームはこの後追加してあります。

今見るとちょっと横長過ぎかも知れません。
前に倒したアンテナが嵌る凹部の位置は合うのですが…
ライトガードは正面と側面のフレームが無視されているので
0.5mmプラ板を短冊に切ったもので追加します。
なお、0.5mmでは実車と比べてちょっと厚いのですが、
キットパーツそのものがかなり厚く、あまり薄いプラ板を
使用すると不自然になってしまうため、相対的な見え方を
考慮して0.5mm厚程度が最適と判断しました。

工作ですが、先に一番下の横棒を確実に固定した後、
縦棒を接着していくと位置合わせと固定が楽になります。
各フレームの位置は変則的なので、実車写真等を参考に
ライトパーツと仮組しつつ、位置決めを行います。

なお、この工作にはお蔵入りとなった旧作を使用しました。
既に迷彩塗装が施されているのはそのためです。
一旦色々組み合わせてみる。

この画像の中では、上で紹介した他に
操縦席ハッチの取っ手の置き換え、砲塔・同軸機銃の
金属パイプの埋め込み工作を行っています。

殆ど触れていませんが、ディテールアップと同時進行で
各部の基本工作も同時に進めています。
〜2008 12/12
前回更新からかなり間が空きましたが地味に進んでます。
まず殆ど触れていない車体下部から。
今回、位置選択式のサスペンションアームは全て
水平位置で固定、最も平凡な状態にしています。

転輪は全てパーティングラインを消した上で、
それぞれ左右を接着して下地塗装に備えます。
古いキットのためかかなりパーティングラインが強く、
一部段差になりかけてる部分もありましたので
400番前後のペーパーできっちり消しておきます。

車体下部はモーターライズの名残と思われる穴が
複数残っていますが、特に目立つ部分でもないので
とりあえず左の丸穴2つだけ埋めておきます。
とりあえず下地処理の準備完了の図
一部、迷彩塗装やウォッシングで邪魔になる部分を除き、
フック等の細かなパーツ等も接着してしまいます。

車体上下と後部パネル、砲塔と砲身、転輪は
塗装終了まで接着せず、仮止めとしておきます。

車体各部にある半円棒状のフック(?)や手摺り、
アンテナガード等の基部は車体との間に
隙間や段差が生じますので、ちょっと濃いめにしたサフを
筆で多めに流し込み、乾燥後に軽く削ったり
流し込み系接着剤で撫でる等して馴染ませます。
見え辛いですが、画像で若干色が違う部分がこの跡です。
下準備が完了したら、いよいよ下地塗装です。
今回は一部に真鍮線等の金属パーツを用いているため、
金属用のプライマーとしても使用できる
タミヤの瓶入りサーフェイサープライマーを使用。
約2倍に薄めてエアブラシで吹きます。

サーフェイサーを吹いてみると、案の定各部に段差や
隙間が誤魔化し切れていない部分が出てきますので修正。
そこまで神経質になる必要は無いと思うのですが
一応自分で納得が行くまで修正を繰り返します。

なお、画像にはありませんが、接着していない小物類も
基本的に同時に同工程を進めます。
〜2008 12/25
2週おきの更新がデフォになってしまっていますが…
今回は試験やらレポートやらで大して進んでいません。

いよいよ本塗装に入ります。
使用するのはMr.カラーの陸上自衛隊戦車色セット。

実車は濃緑色の上から茶色で迷彩が施されているので、
それに肖ってまずは全体に濃緑色を吹きます。
凸凹部には吹き残しが生じやすいので、
下地が透けてしまわないようまんべんなく。

なお、迷彩塗装の施されない小型の別パーツも
下地色統一のため全て同様に濃緑色を吹きます。
続いて、茶色部分の塗装。
割と塗り分けのはっきりした迷彩ですので、筆で描いた
ラインの内側をエアブラシで塗り潰す方法でいきます。

まず、説明書のパターン図等を参考に、パターンを鉛筆で
本体に直接、薄く描き込んで行きます。

描き終えたら、薄めた塗料を用いて面相筆で
パターンのラインをなぞっていきます。
なぞった後は茶色になる側を格子状に塗ったりして
塗装する部分を確認しておきます。
これをしないと私は後で必ず逆側を塗ってしまいますのでw
(というかこの時点で既に数箇所逆側塗ってます)
上記の工程が済んだら、ラインの内側を細吹きで
ムラが生じないよう気を付けつつ塗り潰していきます。

この茶色は意外と隠蔽力があるので、数回吹けば
下地の緑が透けることはまずありません。
一方で、ラインから吹きこぼれた部分や吹き返しで
付着した塗料が白っぽく目立ってしまう欠点もあります。

今回、ムラの発生を極力抑えるため若干ノズルを
開き気味で吹いたところ、各部に吹きこぼれや吹き返しが
発生してしまい、迷彩のラインがぼやけてしまいまったため
かなり薄めた濃緑色を、面相筆を用いて全体的に何回か
撫でるように塗って、馴染ませることで修正しました。
(画像は修正前)
〜2009 1/3
基本塗装後、部分塗装及びデカール貼りに入ります。

砲身キャンパス部分等、比較的広面積な部分は
この時点で筆塗りにて塗装しておき、
その後で光沢クリアーをデカールを貼る部分に吹いて
シルバリング対策を行い、デカール貼りに備えます。

デカールはキット付属の物を使用。
マーキングの派手さとデザインでは第71戦車連隊の
北海道&牛(?)マークも捨て難かったのですが、
エピソードの面白さと日本の戦車らしさから
定番の第11戦車連隊の「士魂」マークを選択しました。
デカール乾燥後、保護のため軽くフラットクリアーを吹き、
エナメル塗料によるウォッシング兼スミ入れを行います。

車体は基本的にフラットブラック+レッドブラウンを
薄めたものでウォッシングしますが、メッシュ部分及び
銃口等の「穴」になる部分はフラットブラックを使用します。
また、砲身キャンバス部分のみ、スモークグレーを使用し
更に少々残し気味にしておきます(理由は後述)

この後フィルタリングを行うため、ウォッシングは最小限に
凸凹の多い部分の強調程度に抑えます。
このキットは車体上面や後部にモールドが集中するため、
その辺を強調するようにウォッシングを行います。
続いて、フィルタリング(で合ってる?)を行います。

このフィルタリングという作業、最近よく雑誌やネット等で
見かけますが、AFVに疎い私は当然初経験となります。
当初は別にやらなくてもいいかと思っていたのですが、
塗装面が少々のっぺりしてしているように感じたので、
今後の練習も兼ねて挑戦してみることとします。

方法は人によってまちまちのようですが、とりあえず
自分なりに良さそうな方法を取捨選択して作業します。

というわけで、まずは全体にエナメル各色を点々と
面相筆で間隔を意識しながら置いて行きます。
(本当は油彩使うらしいですが、お金無いのでエナメルで)
続いて、ある程度エナメルが乾燥したら面相筆や小平筆で
雨垂れや色の変化を意識しながら、なぞるようにして
置いた色を溶かしたり混ぜたりして自然な感じにします。
変化が付き過ぎたり、逆に足りない部分については
状況に応じて臨機応変に対応します。

…とか色々書いてはいますが、実際かなりの部分は
適当に現場合わせで作業しています。
ここで紹介したのはあくまで方針ということで。

正直、これでフィルタリングと呼べるのかは疑問ですが
思ったよりも効果があり、自分では一応満足しています。
ただ、この方法は自己流ですのでお勧めはしませんw
大した工程ではありませんが、砲身キャンバスの仕上げ。
紹介するまでも無いとは思いますが一応。

工程が前後しますが、まずキャンバス部分は
先にちょっと暗めの色で塗っておき、更に前述のとおり
ウォッシングの時点でスモークグレーを少し残します。

その後、かなり硬めの毛の短い筆でエナメルのバフを
ドライブラシすると、ここまでの塗装で生じた細かい梨地の
凸凹に塗料が乗り、何となくキャンバス地のような
雰囲気になります。また、当然ながらシワ等のモールドも
スモークグレーとの相乗効果で陰影が強調されます。

お手軽ですが、結構雰囲気良くなりますのでお試しあれ。
〜2008 1/17
全体の塗装仕上げ終了後、ウェザリングを行います。
74式はサイドスカートが無く、実車でも足周りの汚れが
相当目立つため、今回はその再現に挑戦します。

今回は主にタミヤのウェザリングスティック(マッド)を使用し、
転輪のふちやサス周りにこびりついた泥を表現します。

まず車体下部及び足周りから。
GSIクレオスのウェザリングカラーのサンドを用いて
粗目の砂を多めに付着させておきます。
また、転輪も凹部にウェザリングカラーを使用し、
回転によって砂が溜まったような状態にしておきます。
この段階では色がちょっと明る過ぎな感じですが、
この後の工程で変わってきますので無視します。
続いてウェザリングスティックによる作業です。
基本的には泥の欲しい所に擦り付けるように盛りつけ、
水で濡らした筆で擦ったり溶かしたりして馴染ませます。

転輪のふちの泥などは敢えてあまり溶かさないでおくと、
こびりついた泥の雰囲気が表現できます。

逆にマッドガードなど、あまり泥そのものが溜らない部分は
適当に盛り付けたものを水で溶き、更に筆で下へ拡げると
泥水をかぶったような感じになります。
また同様に、下側に多めに盛り付けたものを上へ水で
拡げると、泥を巻き上げた汚れが表現できます。
転輪や足周りは前述の通りウェザリングカラーのために
少々色が不自然になっていますので、
ウェザリングスティックをかなり多めに擦りつけ、
水で溶いて塗り付けることで周囲と色を統一します。
なお、足周りはこの作業で迷彩塗装の塗り分けが
殆ど判別できなくなりますが、実車も同様なので
気にせず大胆かつ繊細に作業を続けます。

作業は実車画像を参考に進めますが、実車の汚れを
そのまま再現すると模型としてやり過ぎになってしまうので
あくまで参考に留め、場所によっては想像も含めて
臨機応変に作業します。

(画像はウェザリング終了後、細部を組み上げた状態です)
キャタピラの製作及び塗装。

まず自動車用のバンパープライマーをスプレー後、
適当な黒に近いラッカー系のグレーで全体を塗装。
車体同様ウェザリングスティックによる汚しを行い、
最後にエナメル系シルバーのドライブラシで仕上げます。

キャタピラの仕上げが終了次第、転輪に巻きつけ接着、
最後に足周り共々軽くエナメルのダークアースを吹き、
全体の色合いを統一します。
ウェザリング終了後、細部の組み立てを行います。

今回、砲塔にはディテールアップとして
ハッチ固定用のチェーンをプロホビー製のチェーンで追加。
これに伴い、ハッチの手すりや砲塔側のチェーン止め等を
真鍮線で追加してあります。

また、形状がおかしいアンテナ基部を真鍮パイプで置換え、
0.4mmの真鍮線でアンテナを再現した他、砲塔に3か所ある
潜望鏡と、車体側の操縦手用ペリスコープに
0.3mm透明プラ板で窓ガラス(?)を追加しました。
潜望鏡の窓は車両によっては青っぽく見える場合も
あるようですが、多分空の色の写り込みだろうと解釈して
今回は特に塗装はしていません。
塗装作業中に取り付けていなかったパーツ類は、
全てこの段階で接着していきます。

投光器は水平に気を付けながら接着、透明カバーは
コンパウンドとワックスで磨き上げておきます。
カバーは潜望鏡の窓同様塗装はしていません。
砲塔左後方から投光器に繋がるケーブルは
キット付属のチューブにエナメル線で芯を通しておくと
クセをつけたり曲げたりするのが楽になります。

機関銃はMr.メタルカラーのダークアイアンで筆塗り後に
一旦つや消しクリアーをかけてわざと黒く濁らせ、
さらにその上からエナメルのシルバーでドライブラシすると
銃の金属らしい重厚感が表現できます。
車体にも細部パーツを順次取り付けて行きます。

予備キャタピラと牽引ワイヤー(?)は黒で塗装後、
エナメルのグレーとシルバーでドライブラシを行います。

スコップ等のOVMは、金属部はジャーマングレーの上に
シルバーでドライブラシ、木部はラッカーのヘンプの上に
アクリルの自衛隊色の茶色を塗った後、アクリル溶剤で
茶色を軽く剥がして木材っぽく表現します。
実車では車体色で塗り潰されてる場合が多いようですが、
あくまで雰囲気重視(というか私の好み)で塗り分けてます。

車体内部にチラッとみえるナットは、この後製作予定の
ベースに固定するためのものです。
〜2009 1/23
フィギュアの製作。
今回は大昔(小学6年生頃?)に製作した90式戦車より、
砲手を戦車長として転属します。
まず、塗装はさすがに見るに堪えない出来なので
シンナー風呂にて塗装を全て落とします。

続いてサーフェイサーを吹き、グリーンで全体を塗装。
さらに迷彩服の写真を見ながら、バフ、レッドブラウン、
ジャーマングレーの順に迷彩パターンを筆塗りします。
さすがに実物のパターンは細かすぎてとても忠実には
再現できませんので、あくまで雰囲気重視でそれっぽく。
…何となく米軍っぽいパターンになってしまいましたがorz

迷彩終了後、ベルト等の細部を塗り分けていきます。
白で下地を作ってから肌色部分を筆塗りし、
はみ出し等を修正しつつ細部を仕上げていきます。
その後肌にはクリアーオレンジ、服にはスモークグレーで
影をつけ、肌はさらにバフで僅かにハイライトをつけます。

あとは砲手の戦車長昇格に伴い腰の拳銃ホルスター、
またシンナー風呂で粉砕してしまったゴーグルを
ジャンクパーツより流用、艶消しクリアーで全体の艶を消し
ゴーグルのバイザー部分に光沢クリアーを垂らして完成。

話が前後しますが、このフィギュアはそのままでは
少々収まりが悪いので、足首から先を切断した他、
左手の指の角度を少々変更してあります。
ベースの製作。イメージは演習場の地面です。
前車の轍の上を後続車が通過していく感じで。

土台は4mmベニヤ板で、ドフィックスの壁補修材を用いて
地形(といってもほぼ平坦ですが)を作り、
半乾き状態でキャタピラを押しつけて跡をつけます。
更に部分的にドフィックスの粉を茶漉しで振り掛けます。

乾燥後アクリルのフラットアース等で塗装。
轍やぬかるみ等にはウェザリングスティックのマッドを盛り、
水で溶いて泥っぽくしたり、筆で流して雨水の流れを表現。

仕上げに、先に粉を撒いた部分は乾いた部分という設定で
バフを薄く吹いて、砂っぽくなっている様子を表現します。
台座にはWAVEのTケースLを使用。
ネジ止め用の穴を空け、車体とベースを固定します。
台座と合わせて、ベースは側面を黒く塗っておきます。

車体を固定後、キャタピラのたわみ表現等の最終的な
細部工作と手直し等を施した後、パステルで
フェンダー等に控え目に砂埃の表現を行います。

最後に砲塔を車体に組み合わせ、ようやく完成です。
久々のAFV、普段と勝手が違って戸惑う部分もありましたが
何とか完成まで持ち込むことができました。

一応約3年前の雪辱は果たせたと言えるでしょうか?
とりあえずAFVはまた暫くお休みとなりそうです…


inserted by FC2 system