1/100 YF-29 DURANDAL
"SVF-1178 TRICKSTERS"
(バンダイ)
2011 6/8完成

「劇場版マクロスF(後編) 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜」より、YF-29「デュランダル」です。

YF-29は新星インダストリーMF工廠とL.A.I社がYF-24を原型に共同開発した機体であり、
フォールドクォーツを大量に使用することで当時最新鋭機であったVF-25すらも凌駕する
性能を持っていましたが、肝心のフォールドクォーツの希少さから開発は難航し
バジュラとの戦闘で大量のフォールドクォーツを入手したことでようやく完成しました。

劇中ではS.M.Sに配備された紅白のカラーリングの機体がスーパーパックと共に登場、
早乙女アルトが搭乗しバジュラ本星における最終決戦に投入されました。

パッと見VF-25に前進翼とエンジンポッド付けただけのような印象ですが、
超合金などの完成品でも分かるように実際は各部に様々な隠し玉が秘められており、
歴代バルキリーの中でもトップクラスのギミック数を持つ機体となっています。
キットは劇場版後編公開直前にバンダイから発売された1/100のものです。
シェリルとランカの痛機もありましたが今回はアルト機を使用。こっちの方が少し安いですし。

変形や可動を犠牲にして作り易さを最優先したキットのため、かなりのパーツが一体化されていますが
それでもエンジンノズルや背面のレーザー砲、パイロットといった肝心な部分は
ちゃんと分割されており、ディテールについてはこのスケールと価格にしてはまあまあの出来です。

ランディングギア周りは完全にオミットされていますが、これはキットのコンセプト的には
正解だと思います。付属のスタンドは可動こそしませんがシンプルなデザインで気に入っています。

組み立て自体はパーツの少なさと合いの良さのお陰で非常に簡単ですが、
スナップフィットのために仮組み前にピンを削ったり穴を広げる作業が必要となったり
色分けのために分割されているパーツ(特に胴体上面)の合わせ目を消す必要が生じたりと
いつものスケールモデルを組み立てるのとはまた違った苦労をすることとなりました。
今回は機首のVFCノズル3箇所に穴を開けた以外はキットそのままです。

主翼や尾翼、カナードはいつもの分厚いバンダイクオリティですが、
パーツが一体化され過ぎている(特に主翼)ため非常に作業がしにくいのと、
そもそも1/100のお手軽キットにそんな労力かけたくないという理由で今回は無視。

その他にもディテールアップした方がいいのかなーと思う部分は結構ありましたが、
一箇所手を加えてしまうと全体のバランス考えてあっちもこっちも…となってしまうため
今回はディテールアップよりもサッと組んで塗装を楽しむのを優先して製作しました。

ディテールアップは1/72出たらリベンジします…って今更出るのかなあ?
キットは前述の通りアルト機を使用しましたが、正直あのカラーリングはあまり好きじゃない上に
各部の微妙な模様やマーキングには透けまくりのシール(水転写式でない)を使用する必要があり、
とても綺麗に仕上げられる自信が無かったのでオリジナルカラーで製作することとなりました。

余談ですが、どうやら私同様アルト機での製作を諦めた方は結構多いらしく、
発売直後のfgでは実機をモチーフにしたロービジ塗装で製作された作品を数多く見かけました。

カラーリング案にはいくつか候補がありましたが、以前VF-19Aで製作しようとして断念した
モデルグラフィックス誌掲載の「SVF-1178」の存在を思い出し、19用に途中までデカールデータを
製作していたこと、同隊が試験評価部隊というピッタリな設定であったことからこれに決定。

モデルグラフィックスに掲載されたのはVF-25用の二面図だけだったため、
YF-29に合うようにアレンジを加えながらデザイン案を練って行きました。
SVF-1178のカラーを施す前のベースとして採用したのが、VF-25のマスターファイル本に
掲載されていたこのYF-29。この本には他にも2枚YF-29の画像がありますが、
1枚は緑と白のカラー、もう1枚は逆光で真っ黒だったのでこれ以外の選択肢は無し。

この画像の機体はエデンにて撮影されたいう設定となっているので、SVF-1178に配備されていた
機体が戦後に接収されてエデンに持ち込まれ、派手な塗装やマーキングを落とされひっそりと
飛行試験に使用された…とか勝手な俺設定を加えてみることとしました。
他にも色々脳内妄想設定はあるのですが凄まじい文量になってしまいそうなので省略。

塗装の手順は、サフを吹いた後で黄色や白の部分を塗装、マスキングしたら紫を塗装、
更にマスキングして全体をMr.カラー307番グレーで黒立ち上げ、その後でこの画像を参考にして、
機首の黒ラインやレドームの白、垂直尾翼のシルバーなどの細部を塗装していきます。
機首のセンサー部と、機体各部のフォールドクォーツ関連と思しき部分は
下地にシルバー塗った上からクリアカラーを塗装しています。
左に写っているのが今回モデルにしたMG誌(No.290、2009年1月号)の記事です。
最初は25と29なら似てるし楽勝…とか思ってたらグローブ部とか垂直尾翼の形状が
全然違う上に、主翼にエンジン付いてる関係で色のバランスがそのままだと悪すぎたり、
胴体側面の新統合軍マーク貼る位置には黒塗装があったりでアレンジに一苦労するハメに。

デカールはいつも通りKトレのミラクルデカールで製作。
機番やN.U.N.SPACYの文字等はフォントに無いのでトレースして自作。
新統合軍マークも流用できるようなデカールが無いのでこれもCADで自作しています。

マーキングのポイントとなる垂直尾翼の五連星は、先にデカールと同じサイズのデータを
インクジェット用のラベル用紙に印刷、それを切り抜いて貼ってマスキングに使用しています。
その上からクリアーのデカール用紙に星の黄色い部分を印刷して貼り付ければ出来上がり。
何となく気が向いたので自然光にて撮影。やっぱりオモチャ臭さは隠せませんね。
以下補足など。

・部隊番号が「SVF-178」になっているのはマスターファイルの設定(千の位は省略する)から
・垂直尾翼端の航法灯をすっかり忘れていましたが完成直前だったので省略
・エンジンポッドの塗り分けのモチーフはUH-60J(空自・海自)のドロップタンク
・カナードまで前向きなら頭のアンテナも前向きにしてみても格好いいんじゃないかと思ったり
・翼端のアンテナっぽい突起は折らないように細心の注意が必要
・脚側面のミサイルランチャーは後ハメ加工しないと周囲の黒ラインのマスキングが地獄
・機銃はモールドが無くシール仕上げなのでデカール製作してみたものの効果はイマイチ
・キャノピーが紫色なのはフォールドクォーツ使ってるからという設定があるらしい




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