1/144 VF-31A"SVF-168 DEATH ADDERS"
(トミーテック)
2016 12/18完成




マクロスΔ(デルタ)より、VF-31A カイロスです。

劇中には星間複合企業体ケイオスのラグナ支部の保有機としてアルファ・ベータ・ガンマの各小隊に
所属する機体の他、アラド少佐の過去の乗機として背面に龍のマークが描かれた機体が登場します。

設定自体はマクロスΔの舞台やキャラが公開され始めたかなり初期から存在しており、
記憶が正しければ2016年冬のワンフェスの際に上面、側面図が解禁されたのが初出だったと思います。
ヒロイックな前進翼のジークフリードと異なり、原型機のYF-30の面影を残すクリップドデルタ翼と
ロービジカラーの組み合わせはミリタリー色を求めるファンから一定の支持を集めているようです。

VF-31系列機の特徴として胴体後部のウェポンコンテナがありますが、劇中ではデルタ小隊機以外も
ジークフリードと同じ物を装備しており、あまり設定は活かされなかった印象があります。
原型機となったYF-30ではミサイルランチャー等があったのでA型には似合いそうな機がしますが…




キットはトミーテックの技MIXシリーズ MCR13「VF-31A カイロス」を使用。

VF-31Aは量産型の機体であり、少なくともマクロスΔの放送開始時点では
モブ役以外の何物でもありませんでしたが、主人公のVF-31J、紅一点のVF-31Cと同時に
技MIXのマクロスΔシリーズの第一弾として発売されたあたり、ユーザーのニーズを
よく捉えられていたように思います。実際、VF-31Aは他の製品と比べると早々に
完売状態となり、店頭から姿を消しました(出荷数の関係も当然あるとは思いますが…)


その後の技MIX展開の中断もあり、現在ではプレミア価格で取引されるキットとなってしまいましたが
絶版状態とするにはあまりに惜しい出来なので、是非とも再販を望みたい所です。

キットは劇中のカラーリングとマーキングに忠実に製品化されており、そのまま組み立てても
十分過ぎるクオリティですが、どうしても普通に作っても面白味がないと思ってしまい
結局IPAで塗装を剥がして全塗装と自作デカールで製作することとなりました。







元が塗装済み組み立てキットだけあってパーツの精度は高く、ガウォーク形態と共用するために
分割されている部分の合いも概ね良好です。ただ、やはり若干ではあるものの段差や隙間が
生じる部分もあります。元の塗装を活かすなら全くもって気にするレベルではありませんが
今回は塗装を落としているので、どうせならと修正を行うことにしました。

とはいえ大半はダボを削ったり、プラ板やプラペーパーを挟めば何とかなるレベルだったので
修正は最小限で済みました。また、合せ目消しが必要となるのも機首側面程度です。
そのお陰もあり、塗り分けを考慮して機体をブロックごとに分けた状態で塗装して
最後に全体を組み合わせる方法でも全く問題なく仕上げることが可能でした。

製作は基本的にストレートですが、主翼付け根の機銃は銃身はおろか開口もされていなかったため
穴を開けてハイキューパーツのショート・EZガンマズルS1.0を埋め込みました。
また、機首のスラスター(VFC?)は菱形の枠しか無かったので中心にピンバイスでノズルっぽく
穴を開けた他、頭部のレーザー機銃の先端も同様に開口しています。





合いは良いと書きましたがどうしても一点、胴体下面側のパーツと一体になっているバトロイドの
「手の甲と盾」は仮組の段階だとどうしても主翼下面とツライチになりませんでした。
ファイター形態として製作する上では目立ちそうだったので、「手の甲と盾」を胴体下面側のパーツから
切り取り、先に主翼下面側とツライチになるように接着することで対処しています。

余談ですが、当初は脚を差し替え式にしようと考え前脚と主脚の付け根にネオジム磁石を仕込み
脚の脱着までは順調に出来ていました。しかし、前脚カバーの脱着用の仕組みがパーツの小ささと
肉厚等の関係で見栄えが悪くなってしまい、最終的には閉状態で固定することとなりました。

またウェポンコンテナはガウォークとの差し替えの関係で、展開状態に組もうと思えば組めるので
前述のミサイルコンテナを自作してYF-30みたいにファイター形態で展開…とか構想はしたのですが
こちらはスキルと後述の「マクロスモデラーズ1周年記念コンテスト」期間の関係もあって諦めました。
今思うと構想しつつ諦めた部分も多いので、そのうちハセガワの1/72あたりでリベンジしてみたい所です。





カラーリング案はいくつかありましたが、案を練っていた頃に発売されたソフトバンク・クリエイティブの
「ヴァリアブルファイター・マスターファイル VF-4」内で、"SVF-168デスアダーズ"が
その後運用した機体としてVF-31Aの画像が載っていたのが目に留まり、これに決定。
画像は斜め上方からの1枚しか無かったので、裏面や隠れている部分に関しては
VF-4時代を参考にしつつ、想像も含めて製作することとなりました。


VF-31A時代のカラーリングは比較的オーソドックスな制空迷彩のグレーにも見えましたが、
それだとケイオス所属のVF-31Aと代わり映えしないため、Mr.カラー306番をベースとして
VF-4時代の機体カラーと同じような青〜紫っぽさの強いグレーを調色して基本色としました。
胴体中央から主翼にかけての迷彩部分はMr.カラーの305番で、比較的ラフな塗り分けに見えたので
0.2mmのエアブラシを用いてフリーハンドで塗り分けを行っています。

機体下面やレドームが白ないし明るいグレーとなっていることは画像からも見て取れますが
ただの純白だと違和感が凄そうだったので、僅かにグレーかベージュっぽい白ということで
Mr.カラー311番(ベトナム迷彩機体下面色)を使用しています。ところで機体下面が白いのは、
部隊名に因んで一部のヘビの腹側が白いのを再現している…のだったりするのでしょうか?

ちなみにレドームの塗り分けラインは劇中のケイオス所属機と異なり、ちょうど回転する部分が
境目となっています。個人的にはケイオス所属機は明るい部分の面積が多過ぎて間延びしてるように
感じられたので、こちらのラインの方が好きなのですが如何でしょうか?

デカールは基本的にミラクルデカールによる自作品を使用しています。
機首と主翼上面の機番、機首後部の部隊番号、尾翼の部隊エンブレムとテイルレター、
脚部とガンポッドのN.U.N.SPACY、その他細かなコーションデータ類がそれです。





新統合軍マークはデータの作成で若干手間取ったのと、横の切れ込み部の切り出しが
汚くなりそうだったので既製品を使用しました。主翼上面のものはハセガワのVF-25G付属、
インテーク側面のものはトミーテックのVF-31J 2モードセット特典のものを流用しています。
なお、後者はニスが剥がせるはずなのですが見事に本体も剥がれてきたのでそのままです…

地味に苦労したのが脚の裾にあたる部分の黒いギザギザラインで、細切りデカールの組み合わせで
対応しましたが位置や太さのバランスなどなかなか手間取ることとなりました。

キャノピーの塗装はキットを活かそうかと迷いましたが、若干派手に感じたのでIPAで剥がしてから
クリアーオレンジに少しクリアーブラウンを混ぜて塗装しました。キャノピー前のセンサー(?)類は
透明部分に薄くスモークを吹いてから、紫のメタルテープを切り出して貼り付けることで
実はちょっと複雑な構成となっているセンサー周りを再現してみた…つもりです。






電飾にはトミーテック純正のオプションパーツ、OP11 白色発光ユニットを使用しています。
発光用のパーツは劇中をイメージしてMr.カラーGX105クリアーピンクで塗装してから、
アフターバーナーリング(?)状のモールドを黒く塗って浮かび上がるようにしてみました。

なおスタンド接続部分のパーツは発光ユニット用、付属の透明スタンド用、穴の空いていない物の
3種が付属します。付属の透明スタンドは一応ボールジョイントですが、可動範囲が狭いため
今回は穴の空いていない物に3mm径の穴を開け、コトブキヤのMB-42R フライングベースRを
接続できるようにしました。掲載している画像内で関節部がネジ止めになっている物がそれです。
ただし、普通に飾る際は大きくて邪魔になるので普段は付属の透明スタンドで飾っています。

ちなみに発光ユニットのスタンドも当然使用できますが、少し刺さりが浅いのと重量バランスのせいか
若干後ろに倒れ気味になるので点灯させるとき以外は使用していません。



<追記>
上で少し触れましたが、こちらの作品はちょうど製作開始と同じ時期に開催が告知された
「マクロスモデラーズ1周年記念コンテスト」への出品を目標に製作し、無事応募することが出来ました。
その時のツイートがこちら(Twitterに飛びます)
結果から言うと最終選考で落選とはなりましたが、選考のために送った実物は2017年1月28日に
横浜アリーナで開催されたワルキューレ2nd LIVEにて展示されました。





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