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バンダイビジュアルのプレイステーション用ゲーム「マクロス VF-X2」より、
第727独立戦隊VF-Xレイヴンズ所属、エイジス・フォッカー大尉の駆る
VF-19A エクスカリバーです。
VF-19AはVF-19シリーズ初の実戦配備型であり、外見上は試作機であるYF-19と殆ど差異は
ありません(唯一、ゴーグル内のカメラアイ形状が異なるのがゲームOPで確認できます)。
操縦性については設定に少々差があるようですが、非常に高い機動性を持っているという事に
関しては、どの情報元でも見解は一致しているようです。
ゲーム中では中後半より使用可能な機体として登場するほか、鬼教官兼レイヴンズ隊長の
ギリアム・アングレート少佐の機体として序盤から終盤の長きに渡って登場します。
ゲーム内での機体性能はトップクラスで、スピード、運動性能、防御力、武装など
どこをとっても申し分のない機体ですが、唯一安定性だけはVF-22に劣ります。
それでもやはりこの機体の機動性の高さは何物にも代えがたく、
物語の展開にも合わせて最後までこの機体を使い続けた方は多いのではないでしょうか
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統合軍第727独立戦隊 VF-X「レイヴンズ」は、暴動や反乱への対応に苦慮したマクロス政府が
エリートパイロットを集めて設立したAVF(次期主力可変戦闘機)を主力とする特務部隊です。
プレイヤーキャラとなるエイジス・フォッカー大尉が同隊に配属されるところからゲームは始まり、
100機以上の撃墜数を誇り「エンジェルエース」の異名を持つエイジスが、レイヴンズ隊長の
鬼教官ギリアムにドギツい指導を受けながら過酷な任務を遂行していく…という形で物語が進みます。
ストーリーは中盤のあるミッションにおけるプレイヤーの行動によって2つに分岐し、
その選択によって展開が非常に大きく、それこそ歴史が変わってしまうレベルで変化します。
ちなみに、VF-X2(2050年初頭)以降の話となるマクロスFは片方のルート(恐らくグッドエンド)に
準拠しており、Fの小説版ではエイジス本人やかつてのライバルが登場していたりします。
面白いのは、どちらのルートを選んでも最後のボスがVF-19Aであることで
片方は恐らくご想像通りの人物が搭乗しますが、グッドエンドと思われる方では
ある人物が搭乗した緑色のVF-19Aとの一騎討ちとなります。
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キットは2年ほど前に再販されたハセガワの1/72です(レイヴンズ初版は2002年)
成形品自体は設定同様にYF-19と同一で、成型色が青になっている以外は全く一緒です。
パーツ数は少ないながらも、ハセガワの素晴らしい航空機的アレンジと適度なパーツ分割で
組み易さと仕上がりの美しさを両立したまさにVF-19A(YF-19)の決定版キットです。
以前YF-19を製作した時も思いましたが、ハセガワのマクロスシリーズの中でも
このキットの機体形状のアレンジは実に素晴らしいと思います。
確かにアニメやゲームに登場する機体とはだいぶ形状が違う部分もあるのですが、
それでもこのスタイルは見まごう事無き「19」であり、元デザインの特徴をしっかり捉えながらも
航空機的な説得力ある形状になっており、まるで実在する機体のような雰囲気を醸し出しています。
少し前に発売された1/48のキットでは、更にディテールが追加されており1/72を上回る出来に
なっているようですが、それでもこのキットの絶妙な塩梅は見劣りすることはないと思います。
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箱絵っぽいアングル
ちょっと機首のほうが白く飛んでしまっています…
製作についてですが、キットの良さを殺さないように基本的には素組みにしつつ、
細部など気になる部分に多少のディテールアップを施しています。
また、1/72キットの大きな弱点である貧弱な脚周りをカバーするためと
前回製作したYF-19が着陸状態だったので今回は飛行状態で製作し、
ついでに(?)エンジン部にはLEDを仕込んで発光するようにしてみました。
VF-X2ではエンジン出力を最大にすると主翼と垂直尾翼が畳まれるギミックがあるので
できれば再現してみたかったのですが、再現するには主翼を垂直尾翼を丸々もう1セット
製作する必要が生じること、また垂直尾翼を差し替えにするための仕組みがどうしても
上手く行かなかったため、キットをもう1個買っておきながらも今回は泣く泣くパスしています。
なお、折りたたんだ状態の主翼は実装可能なレベルまで製作していましたが
キットの構造上どうしても前縁部分にグローブ部との間に段差が生じてしまうため
ゲーム中のような綺麗なフォルムにすることは不可能でした。
垂直尾翼も最初は左右入れ替えれば折りたたみ状態…とか思ってましたが
畳んだ状態では傾斜角が展開状態よりも大きくなるので結局かなりの加工が必要となります。
差し替えで再現しようとすると茨の道を進むことになる高速形態ですが、
どなたか固定で製作してみようという強者はいらっしゃいませんか? |
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少々脱線しましたが組み立てについて。
パーツの合いについては前述の通り比較的良好ですが、
特にエンジンブロックについては多少の調整が必要になる部分が散見されました。
まずエンジンブロックの接着面が多少凸凹しているため隙間が生じるので
接着面が平面になるように削ります。また胴体上面パーツとの合わせでは
胴体上面側、肩パーツの後ろ側に一見凸モールドに見えるようなバリがあり、
これを削りとってから更にグローブ部の内側をある程度削らないと
綺麗に肩からエンジンブロックへのラインが繋がりません。
その他、これは合いとはちょっと違う話ですが、エンジンブロックと
ヒザ部分のブロック間の隙間がやや大きく、そのままだと少々不恰好なので
0.3mmのプラ板を挟んで隙間を小さくしています。
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このキットに使用されているプラスチックがかなり柔らかいものらしく
一部の大きめのパーツには歪みや反りが生じているためこれも修正が必要となります。
特に顕著なのが胴体上面のパーツで、シールドの先端部分やグローブ部の後端が
上に反り上がっており、そのままにしてしまうとちょっと情けない仕上がりになってしまいます。
今回、グローブ部の後端は熱風(ノートパソコンの排気)の前で何回も真っ直ぐになるように曲げ、
シールド先端は同じく熱風で曲げたプラ板(0.5mm)を反る向きが逆になるよう裏側から貼り、
お互いの曲げ力で反りを矯正するようにして修正しました。
少々長くなりましたが、前述したとおり全体的なパーツの合いは良いので
先に挙げた部分以外のパーツは殆ど何の調整もなく組み上げることが可能です。
可変戦闘機は全て組み上げてから塗装しようとすると上手く塗装が出来ない部分が
生じてしまうので、塗装後に組み上げても段差や隙間が殆ど生じないというのは大変有難いです。 |
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キットは発売からそろそろ10年になるため、一部のパーツではパネルラインが
かなり浅くなってしまっており、胴体上面パーツの肩部分は抜きの関係もあって
特に浅くなってしまっているため修正必須です。また、肩と胴体上面の境目は
可動部となるためパネルラインが必要なので追加しておきます。
今回はいつも使用しているPカッターとラインエングレーバーに加え、
GSIクレオスから発売されている「ラインチゼル(0.15mm)」を使用してみました。
彫った断面がV字型ではなく凹型になるためいくら彫っても幅が広くならず、
深くて細い、理想的なパネルラインを作ることができます。少々値段は張りますがおすすめです。
ちなみに、現在ラインチゼルのホルダーは0.3mmの刃とセットで発売されていますが
0.3mmは1/72航空機には少々太すぎるため、私は三菱uniの製図用芯ホルダーに
0.15mmの替刃をセットして使用しています。ホルダー買うよりも安上がりですし
使用感についても全く問題ないのでおすすめです。
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今回追加工作を行ったポイントは以下の通りです。
・機首のVFCノズルをWAVEのOボルト(直径1.5mm)で追加
・機首のセンサーユニット内部に適当なパーツでディテール追加
・パイロットシート上部の緑色のパーツを透明プラ板で追加
・コクピット後方のVFCノズルをWAVEのOボルト(直径2.0mm)で追加
・胴体下部内部にスタンド固定用のナットを内蔵
・スタンド接続用のアダプタをアクリル板曲げで自作
・ガンポッドの銃身を真鍮パイプで追加
・頭部レーザー銃の銃口を開口
・左右で主翼後縁の厚みが違うのでシャープ化と同時に修正
・垂直尾翼翼端の航法灯をクリアー化
・エンジンブロック側面のノズルをWAVEのUバーニア・フラット(直径2.5mm)で追加
その他、エンジンをLEDで発光可能にしたのにともない
主脚収納庫に電池ボックスを収納するため磁石による取り外し式にしたり、
エンジンノズルを同じく磁石による取り外し式にするなどの工作を行っています。
これらに関しては後で詳しく説明します。
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塗装は基本的にゲームに従い、説明書はあくまで参考にしています。
特に説明書はエンジンブロック内側の塗装指示にミスがあるので注意が必要です。
下面や各翼面のライトグレーはガイアカラー072番ニュートラルグレーIIそのまま、
上面のライトブルーは同031番アルティメットホワイトをベースに同033番純色シアン、
同037番純色バイオレットと適当なグレーを少量加えて調色しています。
塗装手順としてはまずサフ吹きの後コクピット後方や頭部前の黒を塗装、マスキングして
全体をダークグレーで塗装、パネルラインに影を残しながらライトグレーを塗装してマスキング、
最後にライトグレーを同様に影を残しながら塗装という順番で行っています。
その後細部の塗り分けやスミ入れ、デカール貼りの後でクリアーコートで仕上げています。
エンジンブロック後部やVFCの窪みはスミ入れの要領でエナメル塗料で塗り分けると簡単です。 |
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デカールは全てキット付属のものです。
普通のハセガワ製オフセットデカールですがやけにマークソフターに弱く、
ノリもやや弱い感じだったため一部はシルバリングを起こしてしまいました。
こういった場合は一旦半乾きになってからマークセッターを上から塗り、
デザインナイフで突っつくとセッターが下に流れ込んで綺麗にシルバリングが消せます。
今回はコクピット側面の黒塗りやエンジンブロックのストライプ等もデカールで仕上げています。
デカールの黒は少々透け気味ですが、そうと思ってみなければまずわからないレベルでしょう。
コクピット側面は統合軍マークがかかるため、塗装で仕上げるとマスキングが結構面倒です。
エンジンブロックのストライプは塗装を推奨している方も結構いらっしゃいますが、
外側の余白を取り除いて適当に分割してやれば特に貼るのは難しくありません。
なお、ほとんどのデカールは指示通りに貼っていますが唯一頭部の緑のラインだけは
ゲーム中では確実に黄色なので、不要デカールとして用意されているものを使用しています。 |
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パイロットフィギュアはハセガワのVF-22「SVF-124 ムーンシューターズ」に付属する
VF-X2仕様のパイロットスーツのものを使用しています。ただし何となく小柄な気も…
できれば1/72のAVF用ウェポンセットとか出してこれもセットして欲しいものです。
フィギュアの塗り分けは、ゲームのOPやアイキャッチ、ムービーシーンを参考にしています。
攻略本などにカラーの設定資料がありますが配色がゲーム内とは全然違っていますので無視。
意外と塗り分けるポイントが多い上に、絵よって微妙に配色が違ったりして苦労しました。
最終的には若干アレンジを加えながら塗り分けていますが、大体忠実に仕上がってると思います。
青と緑で二重になってるバイザーの塗り分けがチャームポイント(?)です。
ちょっと黄色がケバいですがこれはエイジスのパーソナルカラーなので致し方ありません。
コクピットは基本的にキットのままですがシート上部のクリアーグリーンの部品を追加しています。
この画像だと機首のVFCノズルやセンサー内側の適当ディテールも確認できるでしょうか?
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エンジン部のLEDはこんな感じで収まっています。
どういう構造なのかちょっと説明しづらいのですが、LEDが収まっているあたりに
プラ板で壁が作ってあり、その後ろに5mmLED用のソケットが接着してあります。
ソケットはそのままだと奥の隔壁パーツより細いため縦長の穴から抜けてしまうので
プラ板で壁を作ってそこに固定しています。プラ板にはLEDの足が通るよう2つ穴が開いています。
エンジンノズルは中心に穴を開けてあり、ここからLEDが顔を出すようになっています。
推力偏向パドルを接続するためのバーは穴にかかってしまうため、先にノズル裏に接着してから
真ん中の穴にかかる部分だけを切り取っています。バーには小型のネオジム磁石を
取り付けてあり、エンジン隔壁の裏側に設置してある磁石と合わさることで脱着が可能です。
で、何でこんな説明しづらい、わけがわからない構造にしたのかというと…
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…これがしたかったから。
電飾に使用するLEDの色をゲーム優先で青にするか、それともオープニングやアニメを優先して
オレンジにしようか、どっちにしようか迷った挙句に導き出した結論が「差し替え」というわけです。
ところが、一応3V用の5mmLEDなら何でも取り付け可能にはなりましたが
肝心の青色LEDがイメージ通りの良い色が無く、気に入った色は全て12V用の
高輝度タイプばかりでこいつでは使用できないという実にしょうもない事態に陥りまして…
一応3V用では一番良いかなと思った青色に変えてみた画像がこれですが、
やはりゲームの青白い噴射炎とは程遠い感じですね。ちなみに白色LEDに着色も
試してみましたが、塗料が白色に負けてる感じで白にしか見えませんでした。
というわけで本来の役割は果たせなかった差し替え機能ですが、LEDを取り外せることで
スイッチとして役に立ったのでまあ良しとしましょうか… |
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電池ボックスはここに仕込んであります。
使用したのはいつも通りプロホビー製のLR41×2(3V)のもの。
脚収納庫カバーは小型のネオジム磁石で取り外し式にしていますが、
カバーの合いが恐ろしく良かったため殆ど何の調整も必要ありませんでした。
やはり合いの良いキットというのは電飾が楽でいいですね。
スタンドはハセガワのフレキシブルスタンドですが、今回はガンポッドが邪魔で
そのままだと取り付けられませんので、アクリル板を曲げて、ガンポッドを迂回するような
コの字型のパーツを自作してこれを介してスタンドを取り付けました。
機体との接続はM2×10のネジ、スタンド本体との接合部はエポキシ接着剤で固定しています。
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久々に自然光の下で撮影してみました
スタンドは画像編集で消してあります。 |