1/35 74式戦車
(タミヤ)
2009 1/23完成

かなり久々のAFV作品となった、タミヤMMシリーズの陸上自衛隊74式戦車です。

今回はほぼAFV初心者の状態での製作となったため、雑誌やネット等を参考に
出来るだけ基本に忠実に、オーソドックスに製作することを目標にしました。
色々と試してみたい工作はあったのですが、下手にいじって完成しないのは
避けたかったため、比較的難易度の低いものを選んで製作してあります。
その割には完成まで2ヵ月もかかってしまいましたが…

多少の不満はありますが、とりあえず完成させることは出来ましたし、
何よりも、大好きな74式戦車を作れたということでまあ良しとします

製作記はこちら
74式戦車は1970年代に制式化された陸上自衛隊の第二世代主力戦車(MBT)であり、
当時既に旧式車両と化していた61式戦車の後継として開発されました。
愛称の「ナナヨン」は広く知られ、多くの映画やアニメにも登場しています。

開発は三菱重工が担当、油圧式サスペンションによる姿勢制御機構や
各種電子機器を装備した当時としては前衛的な車両となっています。
制式配備後は、外見上大きな変化の生じる改修は殆ど行われていないものの、
今回製作した車輌のように砲身にサーマルジャケットが装備されたり、
新型弾薬への対応と射撃管制装置の近代化、車内の装甲追加などにより
攻守ともに改修による強化が行われています。

現在ではさすがに旧式化しており、既に退役する車両も出始めていますが
まだ数の上では90式戦車を上回り、主力戦車の地位を保っています。
正直、実車についてはそこまで詳しくないのでキットについて。
タミヤの74式戦車はもともとモーターライズキットとして設計されたもので、
その名残の残るシャーシには1979年の刻印があります。
今回使用したキットはモーター等を廃し、更に新金型パーツをセットした
冬季装備仕様ですが、基本的な部分は旧キットと共通となっています。

さすがに最近の精密化する一方のAFVモデルを見慣れた目には
細部のディテールには少々不満な点も存在しますが、
古いキットながら各部のモールドやエッジのシャープさは現在でも通用する出来で
シンプルかつ少ないパーツ数で独特のスタイルを見事に再現しています。
足周りや車体後部のディテールも、余程こだわらなければ十分な出来だと思います。

何より、ある程度の出来は保障しつつも手を入れる余地を残すことで、作り手に合わせた
製作の自由度が保たれていることは高く評価できる点だと思います。
というわけで、細かい部分を突き詰めるとキリがないキットではありますが、
今回は自分のレベルに合わせて見栄えに大きく関わる部分のみいじっています。
ありがたいことに全体のパーツの合わせはまず問題なかったため、
その分の労力を追加工作に回すことができました。

ご覧のとおり、全体的なフォルムについてはまず殆ど文句はありませんが
前方から見た場合、割と目につくライトガードが簡略化されているので
正面と側面のフレームをプラ材で追加してあります。
また、砲塔や操縦手席のペリスコープは全て省略されているため
0.3mm透明プラ板にて窓を追加してあります。

他、画像ではわかりにくいと思いますが車体後部や側面の目立つ一部の取っ手を
0.4mm真鍮線で置き換えています。
また、同軸機銃身をシャーペン先端のパイプで追加しています。
個人的に、このアングルで見た時の74式戦車が大好きです。
やけに大きい投光器がどこかSFメカっぽくてカッコいいですね。


非常に目立つアンテナガードは取っ手同様0.4mm真鍮線でフレームを組み追加、
アンテナ自体も0.6mm真鍮パイプと0.4mm真鍮線の組み合わせです。
アンテナは軽く曲げクセを付けてホイップアンテナっぽく(ただし効果はイマイチ…)。

砲塔ハッチにつくチェーンはプロホビー製の艦船用極細チェーンを使用し、
真鍮線に置き換えた取っ手と基部に引っ掛けて再現しています。
実車写真でよく見られる、ハッチから垂れ下がったチェーンを再現したかったのですが
それなりに雰囲気は出せたでしょうか?

他、細かい部分ではありますが排気管をドリルで開口した後でふちを薄く削ったり、
分厚かったマッドガードを削り込んで薄く(見えるように)してあります。
実車写真なんかでよくあるアングル?

塗装はごく普通の2色迷彩で、GSIクレオスの陸上自衛隊戦車色を使用しています
見よう見まねでウォッシング、フィルタリング等を施してみましたが効果の程は微妙…。
デカールはキット付属のものを使用、マーキングは第11戦車連隊の「士魂」です。
余談ですがこの「士魂」、「十」と「一」→「士」という事なんだそうで…。

足周りは実車でもよく見られる泥まみれな状態に。その割には車体が綺麗ですが、
「演習前に洗車して、ついさっきぬかるみに突っ込んできたところ」という設定で。
汚しにはタミヤのウェザリングスティック/マスターを中心に、
一部の砂の表現にGSIクレオスのウェザリングカラーを使用しています。
古い車両ですが、自衛隊車両ですのでサビや塗装剥げ表現は無しで。

キャタピラはキット付属の物。転輪に接着して無理矢理弛ませています、
今回は一応、ジオラマもどきのベース付きで製作しています。
ドフィックスで作った単なる平地ですが、シチュエーションとしては
「昨日雨の降った一部がぬかるんだままの演習場の平地」で、
「先行車の轍を通過する後続の74式戦車」という脳内設定になっています。
地面の色と艶の違いでぬかるみを表現したつもりですが上手く行きませんでした…
また、キャタピラ跡もつけるタイミングを誤ったせいで、
一部本当にぬかるみのようにグチャッと崩れてしまいました…今後の課題です。
今回迷彩服塗装の練習として、大昔に作った90式戦車より砲手フィギュアを転属、
小改造して戦車長として載せています。
雑誌など参考にして顔に影入れなどしてみましたが、ハイライトが白っぽかったこと、
また迷彩パターンが大雑把なせいでどことなく米軍の白人兵士風に…まあいいか。
ゴーグルはクリアーパーツでは無かったため、グラス部分を迷彩の緑で塗った後
スモークグレーで艶を出してそれっぽいようなそうでないような感じに。

機関銃は一旦Mr.メタルカラーで塗って磨いた後で、艶消しクリアーをかけて
わざと曇らせ、さらにシルバーでドライブラシすると重厚感が出ます。

拡大すると実物より大きくなってしまうため、拡大画像は無しです。
さすがにこれ以上大きくするとお見苦しいことになってしまうので…
約3年前に完成させたタミヤのM1A1エイブラムスと共に。
それにしてもM1A1は大きい…どことなくアメ車と日本車っぽい雰囲気です。

だいぶブランクがありましたが、一応昔と比べて多少は進歩したでしょうか…?
少なくとも汚しに関してチキン野郎なのはあまり変わっていないようですorz

とりあえず、3年前犠牲となった74式戦車の雪辱は果たせたと思います。
3年前の残骸には今回、ディテールアップや塗装の実験台、そしてパーツ取りにと
様々な局面で大活躍してもらいました。
長い間ジャンクボックスに埋もれていましたが、ようやく成仏させることが出来ました(?)

久々のAFVキット製作、普段の航空機と違う部分もあってなかなか面白かったです。
でもさすがに疲れましたので、次のAFVはまた暫く先になりそうです…




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