1/144 FFR-41MR MAVE YUKIKAZE
"MODE RAM-AIR"
(プラッツ)
2012 5/18完成

神林長平の小説「戦闘妖精・雪風」を原作としたOVA「戦闘妖精雪風」より
フェアリィ空軍(FAF)の最新鋭戦術戦闘偵察機、FFR-41MR メイヴ雪風です。

FFR-41 メイヴはFFR-31MR スーパーシルフの後継機として開発された無人機、
FRX-99 レイフを有人機に改造した機体であり、FAFの戦術戦闘航空団特殊戦
第5飛行戦隊、通称「ブーメラン戦隊」所属の3番機(B-503)として配備されました。
運用の途中(OVA4巻冒頭)でエンジンをラムジェット装備のものに換装しており、
それ以降は形式名がFFR-41MRとなっています。

キットは2011年に発売されたプラッツの1/144メイヴ ラムジェットVer.です。

プラッツの1/144メイヴは最初にOVA2巻と3巻に登場した「ノーマルジェット」版が、
続けて4巻、5巻に登場したバージョンを再現した「ラムジェット」版が発売されました。
その後、コクピット部の「ブレインユニット」を追加したレイフも発売されています。
ノーマルとラムジェット版の違いは主にエンジンノズルと背面のエアインテークです。

最初に登場したキットの商品名が「ノーマルジェット」であることから、恐らく当初から
バリエーション展開を考慮していたのでしょうが、その割にはランナーのパーツ配置が
対応しきれておらず、ラムジェット版ではノーマルの部品がいくつか不要パーツとなります。

また、劇中では殆ど武装を搭載した状態で登場したラムジェット版にミサイル類が
一切付属しないなど、キットの構成にはちょっと「?」が付く部分も散見されます。
今回はOVA4巻の見せ場、南極海でのジャム追撃シーンを再現してみました。

ラムジェット装備の新型エンジンを地球環境下でテストするために、空間通路を抜けて
フェアリィ星から南極へやって来たメイヴ雪風が同時に通路を抜けてきた異星体ジャムによる
国連軍所属日本海軍及び空母「アドミラル56」への攻撃を阻止するため、新型エンジンの
ラムジェットモードを使用し、海上を超低空で飛行するジャムを追撃するシーンです。

前進翼を180度回転させ、更に上に畳んだ独特の形態は後にも先にもこの1回きりであり、
いつもの優雅で美しいメイヴとはちょっと違った姿を拝むことができます。
また、エンジンをラムジェットモードに切り替えた後、主翼を畳みながら
暴れ馬のように蛇行して一気に加速し高度を下げていく姿も印象的でした。

OVAでこのエピソードご覧になった方には、恐らくこのアングルに見覚えがあると思います。
このシーンを再現するため、以下のような追加工作を行っています。

(1)開状態のラムエアインテークの再現
(2)主翼を後退状態へ改造
(3)塗装によるジャムセンスジャマーの再現
(4)エンジンノズルを3mmLEDで電飾
(5)パイロットフィギュア2体の追加
(6)主翼パイロンとミサイルの追加

どれも簡単な工作で何とかなるだろうと思っていたのですが決してそんなことはなく…
1/144キットながら完成までに結構な時間がかかることとなってしまいました。

なお、今回の製作コンセプトは「アルターの完成品には出来ないこと」です。
少なくとも現状では(3)、(4)は完成品では再現できていない…はず。
(1)開状態のラムエアインテークの再現

ラムエアインテークは閉状態となっている開口部の真ん中部分を削り取り、
プラ板の組み合わせで作った開状態のインテークを取り付けました。

かなりサイズが小さいため工作しづらく、また左右のインテークが近いために
形状が不揃いだとみっともないので工作には割りと神経を使うこととなりました。

ラムエアインテーク周辺は単純なようで意外と変わった形をしており、設定通りに
再現しようとすると結構な手間になるので、今回はそれらしく見えるレベルで妥協しています。
例えば、本来インテークのフタは上下2つに分かれているのですが、下のものは
かなり小さいため再現しても手間の割に殆どわからないだろうということでオミットしています。
(2)主翼を後退状態へ改造

このキットでは主翼を展開か折り畳んだ状態を選択して組み立てることができますが、
さすがにそのままでは後退状態には出来ませんので改造する必要があります。

主翼には本来、回転する部分にパネルラインがあるはずなのですがキットには無いので
動画や資料を参考に位置決めしてラインを彫り、それに沿ってエッチングノコで切断しました。
その後断面に0.5mmの穴を開けて真鍮線を接着し、取り付け用の芯としました。

余談ですが、主翼をこの位置で回転させるとミサイルやパイロンが機体に当たる上、
パイロン付け根の出っ張りも主翼を後退状態で水平にすると尾翼と干渉します。
(3)塗装によるジャムセンスジャマーの再現

このシーンでは、異星体ジャムの表面に発生する縞模様を模した光学迷彩
「ジャムセンスジャマー」を展開しており、上面に赤、下面にはグレーの縞模様が出ています。
今回はマスキングでこの縞模様を再現してみましたが、正直かなり苦戦しました…

なお、縞模様は展開中は常に移動しており、アニメを参考にするのはかなり困難なので
全面的にバンダイのEXモデルのデカールを参考にしています。というかほぼ丸パクリです。

赤い縞模様は劇中では発光しているので何とかその雰囲気を表現したく、夜光塗料や
ブラックライト等色々検討しましたが、最終的に普通に蛍光色に落ち着きました。

微妙な色合いの調整には悩みましたが、最終的には納得できる色になりました。
惜しいのはデジカメだとその色合いが上手く伝わらないところでしょうか…
(4)エンジンノズルを3mmLEDで電飾

このシーンではラムジェットモードで超高速飛行を行っており、エンジン排気の色が
モード変更と同時にオレンジっぽい色から青白い色に変化する描写があります。
この青白い排気が印象的だったので、エンジン内部に3mmLEDを仕込んでみました。
LEDは白色のものを使用し、表面をクリアーブルーで着色しています。

ちょうどいい具合にエンジン内部に謎の丸っこいパーツ(E2)があるので、
このパーツを置き換えることでスッキリとLEDを収めることが出来ました。

なお、エンジンノズルのパーツは機体とは別々に塗装したかったので、
機体のノズル取り付け部にピンソケットを設けておき、ノズル側から飛び出した
LEDの足を突っ込めるようにして、塗装後に取り付けられるような構造にしました。
(5)パイロットフィギュア2体の追加

パイロットフィギュアはタカラトミーの技MIXシリーズ、F-15ウェポンセットに
付属するものを使用しました。当然現用機用であるため装備品が異なりますが
1/144のためモールドはほぼ無いに等しく、装備の違いは問題にはなりません。

メイヴのコクピットは特殊な構造になっており、そのままでは乗せられませんので
脚や腕、胴体をもひたすら削りこんで無理矢理乗れるようにする必要があります。
最終的には上胴体と頭だけになるくらいに加工することとなりました。

それでも塗装して乗せてみると意外とサマになるもので、
結構いい雰囲気に仕上がったと思います。特によく目立つヘルメットは、特徴的な
バイザーを塗装で再現してやることで一気にそれっぽさが増します。
(6)主翼パイロンとミサイルの追加

ミサイルは主翼下のパイロンに搭載されているため、主翼が後退状態になると
その向きが前後逆になります。なお、このシーンでは本来この画像で言うと下側の
ランチャーにミサイルが搭載されているべきなのですが、そうすると機体と干渉してしまって
搭載することができないので、間違いは承知の上で上側に取り付けています。
劇中のCGモデルも当然干渉しているはずですが、恐らくはCGの嘘ということで
誤魔化されている(めり込んでいる)ものと思われます。

主翼パイロンとAAM-IIIミサイルは同社のレイフから流用しています。
主翼まわりの金型は同一ですので、当然ながら無改造でメイヴにも取り付けが可能です。
ちなみに何でノーマルメイヴじゃなくてレイフ選んだのかというと、劇中で殆どミサイルを
積んでいなかったのでミサイル無くても普通に組めるというのが最大の要因です。
LED用の電源は無理矢理機内に収めることも考えましたが、どのみち台座付きの
ジオラマ風作品にするつもりでしたので、台座裏側に設けた電池ボックスから
スタンドを介して電力を供給しています。電池にはCR2032を1個(3V)使用しています。

また、機体を取り外しできるようにするため機体とスタンドの接続にはピンソケットと
ピンヘッダを使用しています。スタンド本体はプラ板の箱組です。

ちなみに、こうやってピンソケットとピンヘッダ使う場合には本来ピンソケット(メス)の方を
機体に取り付けるべきなのでしょうが、メイヴは機体の中央部分の厚みが非常に薄く
ピンソケットの構造的にどうやっても無理が生じてしまうので、やむを得ず今回は
ピンヘッダ(オス)の方を機体側に取り付けています。

まあこうやって機体とスタンドを接続してしまえばどっとがどっちでも大差無いのですが、
スタンド外すと機体の下から端子が飛び出す形になるので少し不恰好です。
台座は以下のような手順で製作しました。
飾り台は東急ハンズで購入した、180×120×15の楕円形のアガチス製のものです。

・裏側を彫刻刀で掘り下げ、電池ボックスとスイッチの入るスペースを作る
・表側、彫刻刀で機体後方の海面の凹みを作る
・スタンドを立てるための長方形の窪みとコードの通る穴を開ける
・全体を削って凸凹を均し、との粉で目止めした後もう一度全体を削って平滑に
・全体をクレオスのウィノーブラックで垂れるくらい、テッカテカになるように塗装
・海面の下地をリキテックスのジェッソとデオキサイジンパープルを混ぜたもので塗装
・透明プラ板で波頭の芯を作り、飾り台へ接着
・カワイの海面プレートを飾り台に合うよう楕円形に切り出し、後方の凹み部分を切り取る
・海面プレートに、ジェルメディウムにフタロシアニンブルーを混ぜたものを盛り付けて着色
・↑で使ったメディウムを飾り台にたっぷり盛り付け、海面プレートを載せて接着
・波頭の芯にも同じメディウムを盛って、海面と色と形が繋がるようにする
・波頭の先にブレンデッドファイバーを盛り、波のしぶきを表現する
・波全体にチタニウムホワイトでドライブラシを施し、波っぽさを強調
・スタンドを接着、電池ボックス、スイッチの取付け及びハンダ付けを行う
・海面全体にグロスポリマーメディウムを塗って艶出しと保護を行って完成

機体後方の衝撃波っぽいものは手芸用のポリエステル綿を丸く切り抜いたものです。
切り抜きの際には綿棒ケースのフタをガイドとして使用しました。尾翼やエンジンノズルの
当たる部分にスリットと穴を開け、そこに機体を通して保持しています。

本当はもう少し前、胴体中央あたりから円錐状に発生している感じにしたかったのですが
色々無理があったので残念ながらこのようなちょっと情けない出来になってしまいました。

■キット評
パーツは全体的に繊細でシャープな印象ですが、パネルラインが繊細すぎて一部は消えてしまっていたり、
表面に傷や凸凹のような荒れが散見されるなど少々残念な部分もあります。また、設計に金型の技術が
追いついていないのか、恐らく3DCAD上ではピッタリ合うのだろうけど実際はバリやパーティングラインで
上手く合わない部分もありました(カナード下のステー?等)。ただ、全体にパーツの合いは良い方なので
バリ取りなどの整形をきっちりとしてやれば組立には特に問題ないレベルだと思います。

ただしどうしても気になったのはコクピットカプセルとキャノピーで、カプセル側面には今まで見たこと無い
レベルのパーティングライン(というか段差)があり、キャノピーにも中央下部のギザギザな部分に
同じくらいの段差があります。キャノピーのものは機首パーツで隠れる場所なのでまだ許せるのですが
カプセル側面のものは非常に目立つので瞬着を盛るなどして整形する必要があります。
ちなみに、機首パーツのお陰でキャノピーとカプセルの合いの悪さは目立ちませんが、着陸状態等で
カプセルが後方にせり上がった状態を再現する場合には相当な苦労が伴うであろうことを記しておきます。

デカールはカルトグラフ製のものが付属します。印刷も綺麗で貼り心地も良い最上級品で、
余白が殆ど無いのも1/144では特に有難いポイントです。なお、説明書の指示通りに全て貼っても
相当な量(もう1機分くらい)のデカールが余ります。余るのは主にコーション類ですが、中には国籍マークや
機体番号、部隊エンブレムなども含まれています。マーク等はよく見ると微妙にサイズが違うようなので
作り手のイメージに近い大きさのものを貼れ、ということなのでしょうか?

総評として、初心者がいきなり手を出すとかなり苦戦するでしょうが少し経験のある人ならば特に問題なく
組み立てられると思います。パーツはシャープでスタイルも良く、ディテールも1/144としては十分なですので
ちゃんと作れば小さくとも見応えのある作品に仕上がるでしょう。

■反省点
・コクピットカプセルに塗ったメッキシルバーが下地が適当だったせいで映り込みが弱い
・電飾のため見栄えを犠牲にしてスタンド作ったのに電飾の効果があまりにも薄い
・白の上に蛍光色塗ったため意図した色になるまで超厚塗りするハメに
・主にマスキング絡みの粗や失敗があまりにも多い
・衝撃波で海面が押し下げられてる風にしたかったのに何かよくわからない状況に

■どうでもいい話
今回製作するシーンの候補として、他に4巻のアドミラル56からの垂直(?)発艦がありましたが
主翼を斜めにした状態を再現しようとすると前述のようにミサイルが干渉するので不可能なことが判明した上
コクピットが後方にせり上がった状態にするとキャノピー側面の段差が丸見えになるのでボツになりました。
また、このシーンは恐らくアルターの完成品で再現可能であることもボツ要因の一つです。



箇所 塗料・番号(配合比) 色名
機体上面、縞模様 Mr.カラー・125 カウリング色
機体上面、縞模様 Mr.カラー・171、174(1:1) 蛍光レッド、蛍光ピンク
機体上面、尾翼等 暗いグレー Mr.カラー・339 エンジングレー
機体上面、中央等 明るいグレー Mr.カラー・338 ライトグレー
主翼前縁、機首等 ガイアカラー・071 ニュートラルグレーI
機体下面、全体 明るいグレー ガイアカラー・073 ニュートラルグレーIII
機体下面、縞模様 中間のグレー Mr.カラー・37 グレーバイオレット
機体下面、後部 暗いグレー Mr.カラー・339 エンジングレー
エンジンノズル 暗い紫 Mr.カラー・13、ガイアカラー・037(1:少量) ニュートラルグレー、純色バイオレット
ラムエアインテーク グレー Mr.カラー・335 ミディアムシーグレー
ミサイルパイロン グレー Mr.カラー・315 グレー
ミサイル Mr.カラー・316 ホワイト
コクピットカプセル Mr.カラー スーパーメタリック・SM08 メッキシルバーNEXT





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