1/72 Mitsubishi F-2A
(ハセガワ)
2009 9/7完成

ハセガワの1/72 三菱F-2Aです。

F/A-18Cから続く1人現用機ブームの影響で製作決定。
F-2大活躍(?)の某漫画の最終巻が出たのと、
ちょうどその頃「F-16祭り!」の開催を知ったのもあり、
気づけば手が動いていたという状態でした。

このキットは約4年前に一度製作しており、問題点等は
ある程度把握していたので製作は比較的スムーズでした。
同じの2つ作っても面白くないので、なるべく違いを出すように
パイロットを乗せてキャノピー閉めて6SQにして…とか考えてたんですが
いざ完成してみると出来はともかく何故かほとんど同じ仕様に…あれ?

製作記はこちら
三菱F-2は三菱F-1の後継機FS-Xとして、F-16をベースに
日米で共同開発された航空自衛隊の新鋭支援戦闘機です。

FS-X計画では純国産機の生産という選択肢もありましたが、
貿易摩擦や米国からの圧力など様々な大人の事情が絡み
最終的に米国との共同開発という形に落ち着きました。
F-16をベースとしてはいますが、機体の殆どが再設計されており、
基本的な形状以外は殆ど別物となっているそうです。
試作段階では主翼の強度不足や様々な不具合に見舞われ、
大幅な計画の遅れの後ようやく配備が始まったかと思えば
今度は機体の高価さが仇となり調達中止と、実に不運続きな機体です。

しかし、難産の甲斐あってかその性能は高く評価されており、
対艦攻撃機としては世界トップクラスの性能を誇ってます。
キットはハセガワの定番キット(E15)を使用しています。
同社1/72 F-16とは全くの別金型であり、改修点もしっかり再現されています。
元は試作機仕様のキットでしたが、実機の配備開始に伴い
量産機塗装のデカールを付けて単座(A型)と複座(B型)の
コンパチキットとしてリニューアルされました。
試作機と量産機には細部以外に特に差異は無いようです。

キットはまさにハセガワスタンダードな内容で、シンプルな構成ながらも
そのまま組んでもある程度の見映えはするような出来となっています。
キット自体は全体的に組み易く、プロポーションにも問題ありません。

しかしながら、全体的に実機とは違う部分が散見される上に
1/72とはいえ細部には少々ディテールが甘い部分もあるため、
今回はその辺りを重点的に追加工作を行いました。
塗装は基本的に説明書の指示はアテにしていません。
指示漏れもある上、迷彩色の色指定もそのまま従えるものでは無いですし。

というわけで迷彩色は自分で調色したものを使用しました。
少なくともキット指定の色よりはマシだと自負していますがいかがでしょうか。
調色の比率、各部の使用色等は製作記を参照してください。

迷彩の塗り分けには説明書の塗装図を拡大コピーしたものを使用…
…しようとしましたが、良く見るとかなり間違いだらけなので
説明書をベースに自分で一部パターンを書き直して型紙を製作しました。

説明書はフラップと機体の段差付近、ストレーキ付近等が間違っています。
同社1/48の説明書はちゃんとしたパターンになっていますので、
今後製作される方はそちらの使用をおすすめします。
今回のマーキングは青森県三沢基地所属、第3飛行隊の13-8517号機です。
製作で使用した資料のウォークアラウンド写真がこの機体だったもので。
本当は某漫画の影響で築城基地第6飛行隊の#530が作りたかったんですが、
武装の形態が違うのと部隊マークのデカールが無かったため断念。

デカールはPlatzのNBM21デカール(JD-01)を主に使用。
以前作った時にキットのデカールのウォークウェイの長さがデタラメで
苦労したので買ってみたものの、結果的にこのデカールも同じでした。
カルトグラフ製のため透けもなく貼りやすいのですが、糊が弱く
貼っている間に前に貼ったデカールが剥がれてくるという事態が多発。
シルバリングも起きやすかったのでマークセッターのお世話になりました。
良かった点はキットのものより数が多い、プリントが細かいくらいでしょうか…
考証についても一部コーションデータの色が微妙です。
主翼、垂直尾翼、水平尾翼等の放電索は0.3mm真鍮線に置き換えています。
ただ、実機写真を見るともう少し細くても良かったかも知れません。

水平尾翼は中央の1本の位置が間違っているため修正しましたが、
デカール貼りの段階に来て垂直尾翼のも位置が間違っていることが判明…
一番下のはもう少し下に付く(3本が等間隔になる)ようです。お間違えなく。

エンジンノズルは絞った状態のパーツが入っていますが、
駐機時は大抵の場合、開いている状態であることが多いようです。
今回はF-16CJのものを移植しようと試みるも径が合わず断念。
仕方ないので、せめてモールドの無い内部を何とかしようと
薄いプラバンに切り込みを入れて曲げ、多角形断面を再現しました。
ノズルは色が微妙なので調色しましたが、思った通りの色にはなりませんでした。
光が当たった状態(上から4枚目、下から3枚目)ではそれっぽい色になるのですが…
兵装は全てキット付属のものを使用。
今回はAAM-3×2、ASM-2×4、ドロップタンク×2の対艦戦仕様です。

AAM-3は青とグレーの塗り分けのキャプティブ弾(訓練弾)です。
グレーの部分が実弾と同様、青の部分が模擬弾仕様となっています。
最近ではF-2が全体が青の模擬弾を搭載しているのがよく見られます。

ASM-2は模擬弾…のつもりで全面青ですが確証がありません。
航空祭なんかでよく見られるので多分そうだと思うのですが…
その辺り、詳しくは製作記に書いてありますので参考までに。

ドロップタンクは主翼下に2本搭載した形態です。
重量の関係か、ASM-2フル装備にタンク3本という形態はまず無いようです。
逆に対空装備ではセンタータンクだけ搭載している場合が多いですね。
F-16と異なり、レドームは下に大きく張り出した形状をしています。
これは新型のフェイズドアレイ・レーダー搭載のためなのだとか。

レドーム表面にはライトニング・ストリップ(避雷線)がありますが、
横に位置する物の位置が間違っているため合わせ目消しと一緒に消し、
髪の毛とサーフェイサーを使用して正しい位置に作り直しました。

また、レドーム後部のAOAプローブはマチ針の先端を埋め込んだ他、
機首のピトー管はファインモールドの挽き物(AA-35)に交換しています。
なお、ピトー管が少々上向きに付いてるように見えるかも知れませんが
これはレドーム自体が少し下向きになっているためそう見えるだけで、
実機同様、機体の軸線とは平行になるように取り付けてあります。
コクピットはスケール相応ですが、そのままだとさすがに寂しいので、
Platzのエッチングパーツ(M72-14)等を使用してディテールアップ。
精密にプリントされた計器や、ポイントを押さえた細部パーツは効果抜群です。
しかし、エッチングの扱いに慣れていなかったせいか
いくつかのパーツを無くして(あるいは壊して)しまったため一部は自作です。

自作となったのは座席右側の黄色に黒縞のハンドル、
射出座席頭頂部のキャノピーブレイカー、画像で手前のグレーの部分に見える
レール状のパーツ(多分ゴムシール)等です。

また、キャノピー前側のバックミラーとその両脇の謎の出っ張りも
意外と目立つのですがパーツには含まれていなかったため、
ジャンクエッチングパーツから流用して追加しました。
水平尾翼はポリキャップに差し込む方式が採られています。
もちろん可動するので、駐機時に見られる後ろが下がった状態にもできます。
この方式は接着の手間も省けますし、もっと採り入れてもらいたいですね。

水平尾翼後縁の放電索は前述の通り、真鍮線で作り直しています。
なお、今回は基部にキットのモールドを使用したのでそのままですが、
F-2(F-16)は水平尾翼が左右で同じ部品を共有しているため
本来は左は上面に、右は下面に放電索の基部が来るのが正解です。

垂直尾翼後方にはドラッグシュート(制動用傘)が収納されています。
ここはモールドが良いため塗り分けるだけでも見映えがします。
下の方からシュートのオレンジ色が色が見えるのが良いアクセントです。
妄想自衛隊機2機と。
F-20はともかく、F-22とは翼を並べる日が来ると思っていたのですが
どうやらそれも危うい状況になっているようですね。
高価・高性能な機体というのは報われない運命なのでしょうか…残念。
F-35とか調達するくらいならF-2増やしてくれと思ってしまうのですが。

ところで、どこかで見た構図だと思ったらF-22Jのまとめ画像でやってましたね。

最初に触れましたが、4年前に製作したF-2Aです。
当時は自信作だったようですが今見るとひどいですね。
迷彩はフリーハンドで波形消えてるし、第3飛行隊マークフルカラーだし
テープでシートベルトとライトニングストリップ作ってるし迷彩色変だし…
まあ、とりあえず多少は成長したと認識して良いのでしょうか?

左下:
放電索の比較です。太さはあまり差が出ませんがそのままよりは良いかと。
右下:

9年前(?)に製作したハセガワ1/72 零戦21型と。
F-2にも「平成のゼロ」とか「ヴァイパーゼロ」とか呼び名がありましたが
最近はあまり使われませんね。「ヴァイパーゼロ」って格好良くて好きなんですが。




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