1/72 F-14B TOMCAT "BLAZE" (フジミ) |
2011 4/28完成 |
ナムコのPS2用ゲーム、"ACECOMBAT 5 THE UNSUNG WAR"より オーシア大統領直属の航空戦隊"ラーズグリーズ戦闘機隊"1番機、TACネーム"BLAZE"です。 BLAZE(ブレイズ)は元々、オーシア国防空軍第108戦術戦闘飛行隊サンド島分遣隊ウォードッグ、 通称"サンド島部隊"に所属するパイロットであり、2010年9月、突如友好関係にあったオーシアと ユークトバニアの間で勃発した環太平洋戦争に、個性的な僚機や仲間達と共に身を投じていきます。 その活躍はユークトバニア兵の間で「ラーズグリーズの悪魔」と呼ばれる程凄まじいものでしたが やがて戦いの中で戦争の裏に隠された陰謀に近付き過ぎたことで、スパイ嫌疑をかけられ 友軍にまで命を狙われることになります。同じく陰謀に気付いたオーシア海軍第3艦隊 空母ケストレルの協力により死を偽装、逃亡に成功した彼等は空母ケストレルに合流し、 黒く塗装された戦闘機4機によるラーズグリーズ戦闘機隊(THE GHOSTS OF RAZGRIZ)を編成。 オーシア軍の指揮下を離れ、15年前のベルカ戦争の怨念による陰謀を打ち砕くため、 そして無益な戦争を早期終結させるための独自行動を開始します。 |
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エースコンバット5は、私にとって初めて開発段階から注視してきた作品であり、 当時中学生の私はサイトの更新やトレイラーの公開がある度に大興奮していたのを覚えています。 公式サイトで今でも見られる2004年5月公開のトレイラーは何百回視聴したかわかりません。 トレイラーでは、本作のキーワードであるラーズグリーズについて上手くミスリードされており、 私もそれに見事に釣られて「ラーズグリーズってどんな敵なんだろう…」とかワクワクしてました。 発売日にはAmazonの罠を食らってプレイ出来たのは翌日でしたが、一周目のプレイは とにかく予想以上、驚きの連続でかつてない程ゲームに引き込まれてた記憶があります。 ネットではストーリーがハリウッド過ぎ、子どもっぽい、演出がしつこいとかいう評価もありますが 私は今でもAC5がエースコンバットシリーズの最高傑作だと思っています。 ストーリー、キャラクター、架空兵器、音楽、演出、どれにおいても私にとっては満足な作品です。 できればPS3とかXbox360でHD画質でリメイクされないかなと願ってますが…無理かなぁ? |
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プレイヤーの搭乗機体は序盤(F-5E)や一部ミッション(HAWK)を除き固定ではありませんが、 ゲーム中のムービーパートでは搭乗機体として黒いF-14Aが描かれています。 また、ケストレル合流後のいくつかのミッションでは艦載機しか使用できないミッションがあり、 事前に艦載機を入手していない場合、強制的にF-14Aを使用することになります。 ゲームパッケージや説明書、攻略本、公式サイトの壁紙等を見てもその殆どにF-14Aが 描かれており、また私個人においては前述のトレイラーの刷り込みから完全に ラーズグリーズ=F-14の構図が出来上がってしまっています。 ちなみに、AC5以降のエースコンバットシリーズに登場するF-14は全てD型になっています。 ACZEROではD型ながらカラーリングはA型と同様のものでしたが、AC6のDLCのD型は AC5内のD型同様、スプリッター迷彩を黒くしただけの少々味気ないものとなっています。 ちなみにACXとACX2では色の選択肢無いにラーズグリーズカラー自体が存在しません。 X2ではラーズグリーズのエンブレムは存在するのですが… |
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というわけで(?)、今回はF-14Bをラーズグリーズカラーで製作しましたが、何故AじゃなくB型なのか? グローブベーンのスジ彫りが面倒、フジミのA型のノズルの形状が変など、理由は色々ありますが 一番の理由は「F-14の中ではB型が一番好きだから」です。 好きな理由には前述のノズル形状や機首下ポッドの形状(ゲーム中ではD型のみ違う)等も ありますが、やはり一番大きな理由はカラーリングです。 AC5にはA/B/D型の各型が使用可能機体として登場しますが、そのカラーリングの元ネタは A型はVF-84、B型はVF-103、D型は青系のスプリッター迷彩(アグレッサー)となっています。 ラーズグリーズカラーは機体の元々のカラーを黒くし、一部のマーキング類を赤くしたものであり そのためA型とB型では機首のアンチグレア(黒塗装)と垂直尾翼端の塗り分けが異なります。 個人的にVF-103のカラーリングは私の好みの直球ど真ん中なので、 VF-103を元ネタとするF-14Bを選んだというのが実際のところ最大の理由です。 |
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偉そうにゴチャゴチャと考証のような駄文を並べてはいますが、 実際はこのB型カラーはゲーム中のものとは似ても似つかない代物です。 まず、ゲーム中のB型は元ネタに従ってコーションデータがロービジです。 また、垂直尾翼のテイルレター"KT"もB型では白であり、赤はA型のみとなっています。 他にも武装はAC5ではこのような搭載形態はどの型でも不可能であり、本来B型は GBU-24(何故か格納庫だとJDAM)を2発、胴体下のフェニックスパレットに搭載しています。 他にもゲームとは違う部分は、分かる人ならかなり多く見つけられると思います。 この辺についても、その理由としては私の好みとしか言いようがありません。 ただ、私にとって模型製作というのはあくまで自己満足100%の世界なので 特にこういう架空マーキングの機体については、最低限元ネタのポイントを押さえれば、 後は武装や細部のマーキング等は明らかにおかしくならない程度にアレンジ加えても 問題ないというのが私の製作上のスタンスです。 |
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いい加減どうでもいいという声が聞こえてきそうなので、作品について。 F-22A、F-15Cに続くPS2エースコンバット主人公機シリーズ第3弾です。 飛行姿勢、LEDによるエンジン電飾というのは前2作同様。 ただし今回は、今までの反省と経験から航法灯の電飾と編隊灯の蓄光化はナシ。 特にF-14は発光部分が多い上に主翼は可変翼ということで、航法灯の点灯化は 難易度が高過ぎるため諦めました。ラストミッションが夜明けのステージのため 航法灯が点灯してるイメージが強かったので挑戦したい部分ではあったのですが ただでさえ難易度高めのF-14キットでそれは無謀かと…いつかリベンジしたい部分です。 ちなみに、可変翼でも光ファイバーを仕込むことは不可能ではなく、実際に試作では 上手く光らせることができました。ただ、その機構を仕込むスペースが1/72には 少々足りなかったため断念しましたが… |
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キットはフジミの1/72です。使用したキットはD型として売られている物ですが 必要なパーツは入っているのでB型としてもA型としても組み立てることが出来ます。 パーツ段階ではパネルラインの綺麗さが実に印象的なキットであり、 パッと見の印象ではハセガワのキットよりも数段良いキットのように思えます。 実際なかなか良いキットではありますが、組み易さについてはハセガワよりは まあマシかなというレベルです。私みたいに過度に期待すると痛い目に遭います。 とにかくプラスチックが柔らかく、各部のパーツに歪みが生じています。 柔らかいので修正は簡単ですが、それでも何かしら補強は必須です。 パーツ自体の合いは全体的に良好ですが、何故こんな部分で?という所で パーツが全く合わないということがあるので仮組みが重要となります。 |
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空中給油機から撮った写真ってこういう感じになりますよね…ってどうでもいいですか 以下、主な修正・改造ポイントです。 ・飛行状態で製作、スタンド接続用のナットを機内に設置 ・エンジンフェアリングの形状をF110エンジン搭載型に変更 ・エンジンノズルを開状態と閉状態で差し替え化 ・主翼エアバッグを開状態と閉状態で差し替え化 ・AOAプローブをマチ針、ピトー管をファインモールド製パーツでディテールアップ ・ドロップタンクをハセガワより流用 ・アンテナ、エアアウトレットのアクチュエータ等の細部パーツをハセガワから流用 ・HUD投影用レンズの追加 ・主翼翼端灯のクリアー化、機首下ポッドのレンズ類のクリアー化、垂直尾翼後ろの航法灯クリアー化 ・エンジン電飾用LED、電池ボックス、スイッチを内蔵 ・AIM-54のノズルを汎用プラ部品で追加 |
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塗装はいつも通りサフを吹いた後、ガイアカラーのNo.221ジャーマングレーを吹き、 パネルラインの内側にMr.カラー125番カウリング色で軽く濃淡を付けています。 垂直尾翼、ベントラルフィン、機首横のストライプ等の赤部分は Mr.カラーGX3のハーマンレッドで塗装後に同327番レッドで塗装しておき、 ジャーマングレーを吹く前にマスキングしておきます。 機首のアンチグレア塗装はMr.カラー33番フラットブラック、エンジンノズル前の ゴムスペーサー(らしい)部分は黒鉄色にグレーを適当に混ぜた色、 エンジンノズルはスーパーメタリックカラーのスーパーチタン、 主翼のエアバッグ部分はMr.カラー37番グレーバイオレット。 主翼前縁とインタークリップの無塗装部分はMr.カラー8番シルバーです。 ちなみにゲーム中ではここの無塗装部分も黒ですが、少なくとも私が見つけた写真では 全ての機体が無塗装だったので無塗装にしてみました。 |
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このキットはハセガワと違って主翼が可動するのが大きな特徴ですので、 それに合わせて主翼のエアバッグとエンジンノズルを差し替え可能にすることで 色々な機体の状態を楽しめるようにしてみました。 少しおもちゃっぽいかも知れませんが、これくらいの遊び心はあってもいいですよね。 ちなみに水平尾翼はピンの太さが絶妙なので、無改造で可動可能です。 主翼可動で製作する上で再現したかったのが、主翼付け根付近の独特の汚れです。 このような、境界がはっきりと汚れ方をする原因ですが、どうやらこれは主翼を畳んだ 状態で機体を清掃するため、格納されている部分の汚れが残るためのようです。 そのため、主翼の表と裏側では汚れの形状が異なっています。 同心円状の汚れは可動時の擦れ等によるものだと思われます。 ここの汚しは、主翼を最後退位置まで下げてペンで境界線をなぞり、 それに沿ってマスキングした後コンパスに筆を付けてエナメル塗料で描き込んでみました。 |
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デカールはコーションデータをキット付属のデカールから、 機番やエンブレム、テイルレター、機首横のストライプ等はKトレの用紙で自作です。 機首横のストライプはCADによって製作、印刷しています。 基本的にどれも周囲の余白を機体色に近いブラックグレーで印刷することで、 デカールの切り抜きと余白の除去作業を簡略化(手抜き)できるようにしています。 機首のストライプ、ジョリーロジャースではビクトリーストライプと呼ぶようですが、 ここは赤塗装の上から、クリア用紙に黒で印刷した中央のストライプ部分を貼って再現しています。 なお、ここのビクトリーストライプの中のクサビ状の模様ですが、 VF-84だと6つ、VF-103では7つとなっています。ゲームではA型は通常塗装だと 国籍マークに2本隠れて4つ、ラーズグリーズカラーだと国籍マーク無しでも4つになります。 今回は最も見た目のバランスが良いA型に従ってクサビは4つにしてあります。 ちなみにVF-84とVF-103では太さや角度などが、パッと見では似ていますが全く異なります。 |
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他の写真でも光ってますが恐らく全然気づかれてないであろうエンジン部。 肉眼だとそれなりに見えるんですが写真で撮ると全っ然ですね… 内側は白で塗装後にウェザリングしたのですがウェザリングは強すぎたのかも知れません。 着艦フックは作業の面倒さを考えると単色でも良かったのですが、 見栄えを考え、敢えて縞模様で仕上げてみました。 縞模様にはジャンク内にあったF/A-18E用のデカールを使用しています。 AIM-54はノズルが寂しかったので、コトブキヤのプラ製汎用ノズルパーツを使用して ディテールアップを追加してみましたが暗くて全然見えませんね。 一応実機通りに真ん中を赤く塗ってみたりしたんですが… ベントラルフィンのストライプはデカールではなくマスキングで仕上げています。 地味ーに内側も塗られていたりするので忘れずに。 |
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ノズルは前述のとおり開状態と閉状態で差し替え可能にしています。 差し替えといっても、特に磁石を使用したとかそういうわけではなく、 トンボのピットマルチ(のり)を使用してくっつけてあるだけです。 ピットマルチは塗って乾かすと両面テープのようになり、 しかも何度も貼って剥がすことが可能という優れものです。 今のところノズルが落ちたりすることはなく、保持力に問題は無いようです。 今回初めて使用しましたがこれは面白いですね。色々と用途が考えられそうです。 開状態のノズルの黒い部分はデカールがありませんので塗装です。 エナメルのガンメタルを筆塗りし、はみ出した部分を綿棒で拭きとっています。 このアングルだと、主翼のエアバッグが変わっているのが良くわかるかと思います。 後退位置用のエアバッグについては4つ上の画像を参照。 |
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武装はAIM-9M×2、AIM-7M×2、AIM-54A×4です。 時代的に色はグレーが妥当ですが機体が黒なら武装は白の方が良いだろうということで。 形式と色、帯の組み合わせが考証上明らかに間違いですので参考になさらぬように。 なおAIM-54とAIM-7の弾頭のみ白でなくMr.カラー311番グレーで塗っています。 AIM-9、AIM-7のコーションデータはハセガワのウェポンセット付属品、 AIM-54A用のコーションデータはキットの付属品は変な上に数が足りないので 全てCADで自作しています。文字は小さいですが意外と上手く出来ました。 製作も貼付けも恐ろしく手間がかかりましたがまあ割とそれっぽくなったので満足。 ドロップタンクはフジミの物は若干細めなのと、後部の形状がちょっと気に入らなかったため ハセガワのキットより流用。何故かピンの太さと位置がぴったり一致します。 なお、武装はどれもパイロンとの合いが微妙なので調整が必要です。 主翼下のAIM-7は特に。仮組み無しで挑むと間違いなく痛い目に遭います。 |
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電池ボックスはプロホビーのLR41×2個用をエアバッグの内側に仕込んであります。 F-15Cでは電力不足が露呈したので今回は左右に電池ボックスをそれぞれ一個ずつ。 エアバッグを差し替え式にしたのはこれの副産物。 エアバッグのパーツは機体との間に大きく隙間が出来るのでエポパテで埋めています。 機体とエアバッグの両方に小型のネオジム磁石を取り付け、 取り外しをスムーズかつ確実に行えるようにしています。 ちなみに電池の取り外しはかなりタイトで、ピンセットが必須です。 製作開始当初はスペースについて楽観視していましたが、いざ作ってみると非常にタイトで、 電池の入れ替えが出来なくなり、結局全て配線やり直して電池ボックスを逆にして解決。 それでも電池の入れ替えは未だに結構神経使う上に面倒です。 |
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スイッチは後部のフェニックスパレットの裏側に隠してあります。 フェニックスパレットにと機体の中に小型のネオジム磁石を仕込んで取り外しできるように。 当然ですが引っ張らない限りパレットが外れたりすることはありません。 パレットの裏側が少し切り欠いてあるのは干渉防止用。 スタンドの接続部分は前後のフェニックスの間にあります。 本当にギリッギリですがなんとか干渉せずに取り付けることができました。 他の画像だと同じ色にしか見えないと思いますが、この画像ではなんとか エンジンノズル付け根のスペーサー部分の色が少し違うのがわかると思います。 ここの部分にはA型用のパネルラインがありますが全て埋めています。 主翼の裏側に、上面とは違う汚れの塗り分けパターンが見えますでしょうか? |
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■書ききれなかった小ネタ集 |