1/144 B-58A HUSTLER
(アカデミー)
2009 2/15完成

アカデミーの1/144 B-58Aハスラーです。

この作品は、イエローサブマリン秋葉原スケールショップにて開催された
1/144スケール 飛行機模型コンテストに出品するため製作しました。

実機が外見のイメージとは裏腹に小柄な機体であるのと同様に、
コンテストの際に他の出品者の方々の1/144作品と並んだ際には
この作品も1/144の爆撃機にしてはかなり小さな印象を受けました。


1/144スケール初挑戦、メッキシルバー初使用などの要因もあって
正直なところ、かなり微妙な部分や失敗点も多い作品となりましたが
コンテストにおいてはイエサブ賞を頂くことができました。

B-58Aハスラーは、冷戦の真っ只中である1960年前後に開発された
高高度からの核爆撃を主任務とした米空軍初の超音速戦略爆撃機です。
なお、ハスラーとは日本でよく使われる「ビリヤード選手」ではなく、
「詐欺師」という意味だそうです(単語自体は同じ)。名は体を何とやら…

1960年に実戦配備が開始され、100機以上が生産されましたが
ICBM等の大陸間弾道核ミサイルの登場や、運用性の低さ、高コスト等が災いし
結局一度も実戦に投入されること無くわずか10年足らずで退役となりました。
かつては長距離対空ミサイルを搭載した迎撃戦闘機型や
旅客機型の計画もあったようですが、当然のようにキャンセルとなっています。

外見上の大きな特徴である、デルタ翼と胴体中央のくびれ(エリアルール)は
共に高速性を高めるためのものであり、その銀色のボディと相まって
まるでサンダーバードにでも登場しそうなSF世界のメカを思わせます。
キットはアカデミー製の1/144 B-58Aを使用。
非常にスタンダードな構成のキットで、パーツ点数も少なく
スケール相応の比較的組み易いキットでした。

パーツ状態で目を引くのは胴体下面の一部と一体成型された
大きな主翼で、歪みもなく独特の捻り下げが上手く再現されています。

全面に施されたパネルラインのモールドは若干太め&深めで、
1/144スケールにしてはかなりキツい印象を受けるかも知れません。
この辺は個人の好みですが、キツめが好きな私は気に入っています。

プロポーションについては主翼後退角や全長に若干難があるようですが、
完成してみればどこからどう見てもB-58にしか見えません。
実機の雰囲気は非常によく掴んでいるキットだと思います。
塗装には主にGSIクレオスのメッキシルバーを使用しています。
若干輝きの弱いシルバーは同社のSM04スーパーステンレス、
エンジンやフラップの濃いシルバーはアルクラッドIIのマグネシウムです。

銀塗装ということで下地処理には細心の注意を払ったほか、
メッキシルバーはマスキング不可のため一旦各部のシルバーや機首等の黒、
主翼上下のグレーを全て塗装した上でメッキシルバーを塗装しました。

メッキシルバーは非常に塗膜が弱く、扱いにも結構な手間がかかる上
何より高価な塗料ですが、それに見合う効果は十分にある塗料だと思います。
ただ、残念なことに先日生産中止となってしまったようですが…

デカールはキット付属のものですが、案の状評判通りの極悪デカールでした。
更にメッキシルバーはクリアーコート不可という追い討ち…見事に爆死です。
比較的すっきりとした機体上面と違い、下面は非常にゴチャゴチャとしています。

エンジンポッドは合計4基、形状と大きさから結構な迫力です。
胴体下の大型ポッドは爆弾と燃料を満載しており、爆撃任務時には
爆撃目標に対して丸ごと投下、身軽な機体で一気に逃げ帰るんだそうで。

そしてそのエンジンと爆弾ポッドを搭載するため、着陸脚は異常なまでに長く
見るからに不安定な機体構造となってしまっています。
タイヤは小さい上に数も多く、製作時にはその面倒臭さに泣かされました…

なお、ポッド下面から出ている棒はベース固定用のネジで、ポッドを貫いて
胴体内部に設けたナットにねじ込んで機体を固定しています。
コンテストでベースへの機体固定が義務付けられていた故の措置ですが、
固定可能な部分が殆ど無かったため、やむなくこの場所となりました。
特にいじる部分は多くないキットですが、とりあえず機首のピトー管を
真鍮線へ置き換えた他、前脚の着陸灯を追加してみました。
また、コクピット後部上面の目立つ丸いパネルのモールドが
完全に無視されてしまっていたため、ケガキ針で追加してあります。

コクピットはやけに気合いの入ったカプセル式の射出座席と、
デカールの計器盤のみの簡素な仕上がりですが、完成後は殆ど見えません。
また、完成後は全く見えなくなる後部コクピット(左画像で赤い三角のある2ヵ所)も
一応再現されていますが、当然の如く製作は完全に無視してあります。

ちなみに、B-58Aのコクピットは風防の上側が開くようになっており、
パイロットはそこから乗り降りすることになります。
パッと見大きな機体に見えるB-58Aですが、実は意外なほどに小柄な機体で
コクピットもこの部分には1人乗るのが精一杯な大きさです。




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