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任天堂のシューティングゲーム、スターフォックスシリーズより、
主人公フォックス率いる雇われ遊撃隊「スターフォックス」の主力戦闘機「アーウィン」です。
アーウィンは大気圏内外の飛行はもちろん離脱・突入も可能な「超高性能全領域戦闘機」であり、
プラズマエンジン(NTD-FX壱型)によってほぼ無限の航続距離とワープ航行を可能としています。
重力圏内では反重力発生装置「Gディフューザーシステム」により浮上しており、
特徴的な可変翼はその制御や空力機動、減速などのために使用されています。
これらの組み合わせにより、自機の全長より短い半径での旋回すら可能という
他に類を見ない超高機動性を実現しています。
64版の設定では全長28sm、全高5.5sm、旋回半径17sm、最高速度は大気圏内でM4.2となっています。
[sm(スペースメーター)]は作中独自の単位ですが、28smが主翼畳んだ状態での全長で、
かつこのキットが1/144であると仮定すれば、大体1sm=0.5m程度となるようです。
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今回製作したのは、1997年に発売されたNINTENDO64用ソフト「スターフォックス64」を
ニンテンドー3DSでリメイクした作品「スターフォックス64 3D」に登場したバージョンです。
シリーズ内の全作品に登場するアーウィンですが、作品ごとにデザインはかなり異なっており
64版のリメイクである3Dにおいてもそのデザインはだいぶ変更が加えられました。
具体的には、機首が64版の鋭利な形状からシャークノーズ風の少し扁平な形状になったほか、
胴体左右の青いユニットのエッジにアールがつき、各部にディテールが追加されています。
平面で構成されていた64版と比べ全体的に面が増え、自然な丸みを帯びたスタイルとなりました。
また現代風ディテールの追加によって、よりSFメカらしさが増したデザインだと思います。
64版の良さを殺すことなく、まさに「リファイン」した感じで私はかなり気に入っています。 |
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キットはタカラトミーアーツのカプセルトイ「任天堂メカニックコレクション」の物を使用しました。
スケールは不明ですがフィギュアと対比すると1/144くらいでしょうか?
このシリーズにはスターフォックスよりアーウィン、ランドマスター(戦車)、ブルーマリン(潜水艦)の
3種類のほか、ゲーム「スティールダイバー」より潜水艦2種がラインナップされています。
発売後すぐに秋葉原で探した時はバラ売りだとアーウィン全滅状態だったので、5種セット買ったり
ガチャ回して入手しましたが、少し経ってからはバラ売り復活したので現在手元には6機ほどあります。
ちなみに、ガチャ回した時はなかなかアーウィン出なかったので他の奴はそれ以上にあります…
正直、スターフォックスメカは他にもウルフェンとか色々有るので、
任天堂じゃなくてスターフォックスメカニックコレクションとして発売して欲しかったところ。
まあアーウィンの立体物が今になってようやく手に入っただけでも有難い話ではあるのですが。
なお、ランドマスターとブルーマリンもとりあえず組んでみようとしたのですが、
パーツの合いが悪すぎて加工無しでは組めなかったので現在放置中です。さてどうしよう…
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キットはグレーと青、2色のパーツで構成された塗装不要スナップフィットキットとなっています。
可変翼は左右連動こそしないものの可動式で、スクロールモードとオールレンジモードの
両形態が再現可能となっています。厳密に言えば可変する付け根の位置がゲーム中と
若干違うのですが、ゲーム中では無理のある構造のためにポリゴンがめり込んでいるので
立体化する上では致し方ない部分でしょう。ただ、このキットではどちらの位置でも形状が
破綻すること無く再現できるので、むしろゲームよりも説得力のある良いアレンジと言えると思います。
胴体両脇のツインレーザーは収納・展開の両形態を差し替え再現可能で、機首のシングルレーザー
発射口にはツイン状態時に使用するフタが付属するという芸の細かさです。
惜しいのは、展開時には下側の部分が若干外側に移動するのが再現されていない点です。
キャノピーは可動式で開閉させることができますが、キットにはパイロットフィギュアは付属しません。
コクピットがそれなりに再現されているのでちょっと惜しい点ではあります。
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製作ですが、カプセルトイということでちょっと手直しして色塗ればあっという間だろう…
とか思っていたら想定以上に直す部分が多くてちょっと手間取りました。
機首や主翼のエッジが完全に丸まっていてシャープさのかけらも無い感じだったので
ヤスリで削り込んでシャープにしました。主翼の動翼部にある3枚のフィンは邪魔になるため
削りとってしまい、エッチングノコで切れ込みを入れてプラ板を差し込んで作り直しました。
パーツは大半がランナーから切り離された状態となっていますが、そのゲートの処理が雑で
えぐったようになっている部分が結構あったため、瞬着を盛って整形しました。
キャノピーパーツも少しえぐれていたので透明の瞬着盛って整形、磨き上げて仕上げました。
スナップフィットのため青いパーツは別となっていたので、胴体以外のパーツは塗装後に
組立を行いました。パーツの合いは良く、ピンを調整すれば問題無く組むことができました。
胴体の上下のみ接合線が生じるので、接着して合わせ目を消しています。 |
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塗装は、実機(?)が結構汚い印象なので小スケールとしてやり過ぎない程度に汚してみました。
白は下地を暗いグレーで塗っておき、パネルラインやエッジをを残すようにして
Mr.カラー107キャラクターホワイト、その後ハイライトにGX-1クールホワイトを吹いています。
青はガイアの024コバルトブルーの後に溝やエッジを避けてVO-02アイスコバルトブルー。
レーザー砲やエンジン周りは少しアレンジして金属色部分を多めにしています。
本体の上に被せたカウルからメカが覗いているような、バイク的な雰囲気をイメージしたのですが
目指した通りの仕上がりになっているかというと…うーん?
パネルラインが全体的に太く、彫り直すにも微妙な感じだったのでスミ入れには
極細水性ペンのグレーを使用しました。たまにはこんな仕上げ方もありかと。
クリアーコートには、最近気に入っているMr.カラー189フラットベース なめらか・スムースで
ツヤを調整したGX-100 スーパークリアーIIIを使用しました。
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キットにはデカールが付属せず、マーキングはコクピット後方の赤いキツネマークが
塗装で入っているだけだったので、K-TRADINGのミラクルデカールで自作しました。
今回はエンブレム等に加えて、実験的にディテールをデカールで再現するのにも挑戦してみました。
コクピット横の三角形状のダクトや、見えづらいですがレーザー砲周辺の無塗装部分の
ゴチャゴチャしたメカ風のディテールも全てデカールで再現しています。
ゲームを参考にしたり想像力を働かせて作ってみましたがこういうのはちょっと苦手です。
コーションデータはジャンクデカールから流用。位置などはゲームのパッケージを参考に、
見えない部分は想像で貼っています。1/72用も使ったので少々オーバースケール気味かも?
地球じゃないのにアルファベット使うのはどうなの?と思いましたが、
そういえばゲーム中にも普通にアルファベットとか英語出てたんで特に問題ないと思われます。 |
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前述の通り、ツインレーザーは展開時に少し外側へ移動します。今回は、差し替えを生かしつつ
これを再現しようとネオジム磁石とマグネットセッターによる改造を試みて概ね成功したのですが、
塗膜及びデカールのハゲの想定が甘かった上、更にそのままだと上下の間隔が広すぎることに
気付いてしまったため最終的には見栄え優先で磁石を排除、展開状態で接着してしまいました。
ちなみに、3DS版のCMで用いられたCGモデルだけは、ツインレーザーが展開状態でも
外側へ移動しないようになっているようです。だからどうしたって話ではありますが…
なお、機首のシングルレーザー用のフタはゲーム中には登場しないので使用せず、
代わりに汎用プラパーツから四角い砲口状のパーツを追加してみました。
スタンドはF-TOYSの旅客機用のもの。戦闘機用のはオールレンジモードにすると前に倒れます。
差込用のピンを切り飛ばし、直径5mmのネオジム磁石を接着しています。
機体側にはノズルの裏側(パイロットシートの後ろ)に直径8mmのネオジム磁石を仕込んであります。 |
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前述の通り、キットにはパイロットフィギュアが付属しません。
ゲーム中のムービーシーンではコクピットのパイロットをクローズアップする演出が多くあり、
台詞に合わせて頭が動いたり、視線を動かしたりするのが非常に印象的でした。
また何より、「スターフォックス」を象徴する動物のパイロットというのは是非とも再現したかったため
市販のフィギュアを芯にして主人公フォックス・マクラウドを自作することにしました。
使用したのはウェーブの1/144 モビルスタッフに一つだけ付属する座り姿勢のフィギュアです。
これを芯に、耳、鼻、ヘルメット等をプラ板や瞬着で造形しました。体の方は特にいじっていません。
造形だけ見ると正直微妙でしたが、塗装してアーウィンに乗せてしまえば
小ささと相まってとりあえずフォックス以外には見えない出来となったのでよしとします。
なお、目は小さすぎて描けないので黒く塗ってエクストラモードのサングラスということにしました。
ちなみに、一時はファルコにしようかとも思いましたが造形と塗装の難易度が高いので諦めました。
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左上:
ゲームパッケージ。細かいマーキングや塗り分けの参考にしました。
右上:
1/144 T-4と。T-4が全長約13mなので同スケールとすればアーウィンが少し大きいくらいでしょうか。
左下:
プレイヤー視点。おそらく最も見覚えのあるアングルでしょう。
なお、鋭利な主翼端はプラのままだと薄くした時に折れてしまうので、ある程度の太さの部分まで
切断し、そこから真鍮線の芯を伸ばして瞬着を盛りつけて削り出しています。
右下:
エンジンノズルはオープニングムービー等参考にして塗ってみました。
スターフォックスシリーズはゴチャメカの中に黄色がよく使われるのが特徴的だと思います。
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